小室哲哉・KEIKOさん夫妻の離婚報道に、高次脳機能障害の僕が感じたこと

障害特性を「ないもの」にするな
鈴木 大介 プロフィール

妻に土下座して頼んだ

なかには家族への加害にそもそも罪悪感を覚えないとか、記憶にない加害を認めないといった当事者もいなくはないが、高次脳機能障害における易怒性が家庭崩壊の大きなリスクになることは、ご理解いただけるだろう。

ここで、当事者としてなんとかお願いしたいのは、「僕らが僕らでなくならないために、お願いだから刺激しないで、怒らせないでください」ということだ。

僕自身この言葉を妻に土下座して頼んだ。当事者の怒りのスイッチがどこで入るのかについては、病前に全く怒らなかったことにいきなり怒るようになるのではなく、元々の価値観やパーソナリティの中で苛立ちや怒りを感じた部分が異様にブーストされるといって良い。

別人になるのではない。鬼になるわけでも悪人になるわけでもなく、ただ荒れ狂う自分をコントロールできないことに、僕らは苦しみ、取り返しのつかないことをしてしまう自分を消し去りたい気持ちと常に戦いながら、生きている。そのことを、何とか知ってほしいと思うのだ。

 

障害特性を「ないこと」にするな

見聞きできる経緯で考察する限り、恐らくKEIKOさんと小室さんが離婚に至ったのは易怒性が原因のケースではなく、別の理由がある。けれど今回は、この機会を借りて高次脳機能障害の当事者からの願いを書かせていただいた。 

なお、一部メディアでは、KEIKOさんがメディア向けに出した直筆メッセージが、文体も文字もしっかりしたものだったことから、KEIKOさんの障害はこれまで小室さんがコメントしたり報道されたほど重いものではなく、小室さんが彼女を一方的に「障害者扱い」したのではというトーンの報道もあった。が、正直これに僕はまさに「易怒」した。

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