小室哲哉・KEIKOさん夫妻の離婚報道に、高次脳機能障害の僕が感じたこと

障害特性を「ないもの」にするな
鈴木 大介 プロフィール

それはもう発作。腹筋と横隔膜の止められない痙攣に顔は真っ赤になり、「笑いやまねば笑いやまねば」と焦るほどに、頭皮や背中にびっしょり汗が噴き出る。肺の中の空気を出し切っても、まだ「おかしい」という巨大な感情が尽きず、痙攣は続く。止めたくても、止まらない。

通常笑いは息を吐きながらするものに思うが、笑いで吐き切った息を吸うときも止まらない痙攣が横隔膜をゆするから、ほとんど呼吸困難の始末である。

幸い監督やプロデューサーにも笑いのスイッチが入ってくれたおかげで助かったが、翌日にはガッツリと腹直筋に筋肉痛が出た。

 

これは、「感情の脱抑制」と呼ばれる、高次脳機能障害の一つの症状だ。高次脳機能障害は事故などによる脳外傷や脳卒中等々、あらゆる脳神経細胞へのダメージを受けた当事者に残る後遺障害で、思考の速度、注意機能や記憶、言語などをはじめとする脳の認知機能に様々な不自由が残る障害だが、上記のように感情のコントロールができない特性については「感情の脱抑制」「感情失禁」などと言われている。

笑いの痙攣が止まらなくなるなんて、それこそ笑いごとで済まされそうだが、これが公共の場だったりもっと大事な会議やプレゼンの場や冠婚葬祭の会場だったら、それなりに問題化するのは想像がつくと思う。だが問題は、この脱抑制の症状は喜怒哀楽あらゆる感情において起きるということ。そこで当事者にとって大きな苦しみとなるのが、怒りの感情をコントロールできなくなる「易怒性」(いどせい)だ。

今回は「離婚の大きな原因となる障害特性」として、この易怒性が高まるとは当事者にとってどんなことなのかを、知っていただきたい。

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