フリーアナウンサー中村仁美さんのFRaU Web連載「騒がしくも愛おしい日々」(毎月1回・第1水曜日更新)。さまぁ~ずの大竹一樹さんとの結婚後、母として、妻として、そして一人の女性として、感じたこと、考えたことを、中村仁美さんならではの目線で綴っています。
今回は、過去独身時代に抱いていた「結婚」に対するイメージを振り返ります。結婚10年の時を経て、今や3児の母として子育てに奮闘する日々を送る中村さんが、昔の自分に教えたいこととは?
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「結婚したら終わり」だと思っていた
最近、お仕事でインタビューを受けるにあたり、社会人になってからの20年を振り返る機会がありました。
とはいえ、ここ数年があまりにも慌ただしく、会社員時代の揺れ動く感情はかなり薄れてしまったようで、過去の思いを今に手繰り寄せるのに手こずってしまいました。
あんなにも日々悩み、時にはお酒を飲みながら同僚達と怒りをぶちまけ、夜な夜なくだを巻いていたのに……。
ただ、そんな薄れゆく会社員時代の記憶の中で、いまだ鮮明に覚えていることがあります。それはアナウンサーという職種からか、はたまた当時の社風からか、“結婚したら終わりだ!”と感じていたこと。
当時は今とは違い、結婚すると他局も含め退社する方がほとんどで、会社に残るにしてもアナウンサーとしては一線を退く雰囲気がありました。
出産しようものならなおさらで、“30歳女子アナ定年説”なんて言われることも。
今だったら、即辞任に追い込まれるレベルの言葉が、まだまだ当たり前のように交わされていた時代です。
若き日の私は、30歳までには結婚して子供は2人欲しい。
そんな未来を描いていたので、「ということは22歳で入社して、30歳で結婚し退社しなくちゃいけないとしたら……わお! たった8年しか働けないの!? しかも80歳まで生きるとしたら、残り50年!! え?どうする??」
女性アナウンサーの短命たるや。