3.11から10年…福島の「情報災害」が未だに払拭されない理由

福島の今を知るための「5つの論点」
林 智裕 プロフィール

4)福島はまだ放射線量が高いのでは?

福島での放射線量は、大規模な除染や半減期などにより、原発事故直後に比べ大幅に低下したと言えます。

「福島県放射能測定マップ」より(http://fukushima-radioactivity.jp/pc/

これまで除染で出た廃棄物を入れたフレコンバッグが山積みにされた様子ばかりがセンセーショナルに繰り返し報道されてきましたが、これらのフレコンバッグも中間貯蔵施設への運び込みがまもなく完了する予定です。

すでに制限された一部地域を除き、生活しても放射線リスク上での問題はありません。なお避難区域の変遷については、こちらの福島県HPをご参照ください。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/cat01-more.html

ただし、今も住民が暮らすことができないとされている「帰還困難区域」が東京電力福島第一原子力発電所から北西方面を中心に広く残されています。

一方で、近年では食品の基準値と同様、避難の根拠とされた基準値や除染の目標値が適切なものであったかについても議論が起こっています。

また、中間貯蔵施設で一定期間保管された除去土壌等は、中間貯蔵開始後30年以内(2045年3月まで)に福島県外で最終処分を行うことになっています。

http://josen.env.go.jp/material/pdf/dojyou_cyuukan.pdf

これを円滑に進めるためにも、放射線量が低く健康に影響を与えない除去物は減容化(容積を減少させること)の必要もあり、土木工事等での有効利用が求められています。

「環境省・中間貯蔵施設情報サイト」
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/recycling/

 

しかし、重金属汚染などと異なり放射性物質には半減期による減退が顕著なこと、放射線量が基準値以内であればリスクは一般的な土壌と全く変わらなくなること、まとまった土には資材としての商業的価値や需要もあることなどは全く報道されて来なかったこともあって社会での理解は全く進んでおらず、根強い偏見により有効利用への道筋は見えていません。

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