3.11から10年…福島の「情報災害」が未だに払拭されない理由

福島の今を知るための「5つの論点」
林 智裕 プロフィール

ここで、食品に対する風評被害問題の現状についても挙げておきます。

最新の調査では、福島県産品を「ためらう」人の割合は原発事故後最低の8%台まで下落し、一般消費者の意識はかなり回復してきたと言えます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210226/k10012886871000.html

しかし、その一方で、他産地での代替品が少ない作物を除いて、流通価格が今も低迷している品目も目立ちます。

「令和元年度福島県産農産物等流通実態調査」(農水省)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/ryutu/attach/pdf/R1kekka-33.pdf

その結果、たとえば福島の米はその上質さから「特A産地数3年連続日本一」https://fukushima-ichiba.com/pages/about-fukushima-rice
というブランドを持ちながらも(今年3月に発表された最新の結果で、4年連続日本一に記録が更新されました。https://www.minpo.jp/news/moredetail/2021030584192)、同時にそのブランドが隠され価格も安い「業務用米への使用比率(全体の65%)も日本一」https://www.47news.jp/4712062.html)という複雑な状況が生まれています。

Gettyimages

ただし、これまで積極的に買ったり食べたりで応援してくださった方々の力によって、福島の食が非常においしいことが原発事故前以上に知られるようになったポジティブな一面もあります。

今お話しした米はもとより、福島では桃や柿をはじめとした果物類、農畜産品、漁業産品や乳製品など、総じて高い品質の食べ物が揃います。

特に日本酒においては、明治時代から続く全国新酒鑑評会で前人未踏となる「金賞受賞数7年連続日本一」の快進撃を続ける他、海外の世界的なコンクールでも輝かしい受賞を重ねています。

詳しくは2019年に『福島の地酒が「世界的日本酒ブーム」の中で快進撃を続ける理由』https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65013)に記しました。

福島は、いわばワインにとってのボルドーやブルゴーニュ、ウイスキーにとってのスコットランドのように、日本酒における世界的な名醸造地の1つになったと言えるでしょう。

 

もっとも、コロナ禍の影響によって他産地同様、福島の食や酒も危機的状況が続いているのが現状です。著者も微力ではありますが、福島の地酒と地の肴を全国に毎月届ける「fukunomo(ふくのも)」という頒布会に協賛しておりますので、ぜひお試し頂ければ幸いです(キャンペーンコード【林智裕】の入力で特典もご用意しています)。

http://www.f-sake.com/category/blog/weblog/%E6%9E%97%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E4%BB%8A%E6%9C%88%E3%81%AE%E9%85%92%E8%AA%9E%E3%82%8A

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