2021.03.10
# 恐竜

50年ぶりの新種発見…カナダにはいつからティラノ軍団が棲息していたのか?

ティラノサウルス徹底研究 第16回
小林 快次, MOVE編集部 プロフィール

「死を刈り取る神」タナトテリステス

そんな疑問に答えてくれたのが、今回新しく見つかったタナトテリステス・デグロオトルムです。タナトス(Thanatos)とはギリシャ神話に登場する死を神格化した神であり、テリステス(theristes)は「刈りとる人」の意。つまり「死を刈り取る神」ということになります。

棲息した時代は7950万年前なので、ダスプレトサウルスよりも250万年近く古い恐竜です。この時代、ララミディア大陸の南部だけではなく、カナダ付近にもティラノ軍団のメンバーが存在していたわけです。

ちなみにこのタナトテリステスといっしょにカナダで生きていた恐竜には、どちらもあまり有名な恐竜ではありませんが、角竜類のジノセラトプス(セントロサウルス亜科)や堅頭竜類のコレピオケファレがいました。

なお、これよりも古い時代(8450万~8350万年前)からもティラノ軍団らしい化石は発見されているのですが、残念ながら名前がつけられるほど状態のいい化石ではありませんでした。このあたりは今後のさらなる調査に期待したいところです。

* * *

次回『最新研究で整理されたティラノ・スター軍団…分類のカギは「頭の形」』

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