両親ともお金に無頓着で、足りなくなると夫婦げんか。自分自身も使うことは得意だけれど、貯金はいっさいできなかったという村田亜矢子さん(仮名・53歳)。7歳年上の夫も、その金払いの良さが好きで結婚したから、夫婦そろって貯金は100万円以下だった。定年後、夫は退職金をもらったものの、これからどうしたらいいのか。お金に縁が無かった両親の介護をなんとか終え、初めて自分の老後を意識した彼女のお金に対する後悔と、思いがけない解決策を聞いた。

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お金がないのは母親のせいなのか

中堅企業の会社員だった亜矢子さんの父親は外で酒を飲んだりもせず、まじめな人柄だったが、活字中毒で、雑誌や書籍は好きなだけ購入していた。新しもの好きなところがあって、カメラやテレビなども新製品が出たら、すぐに買ってしまう。専業主婦の母親は子どもの教育にお金を惜しまない人で、亜矢子さんと妹には塾、習字、ピアノ、算盤、英会話などの習いごとをさせた。父親は長男で舅姑も同居していたから、正月には大勢の親戚が集まってすき焼きを食べるのが習慣で、夏の家族旅行も欠かさない。小学生時代の亜矢子さんは、うちはお金持ちなんだと勘違いしていたという。

ピアノをはじめとした習い事をたくさんしていて、自分の家は裕福だと思うのは普通のことだろう Photo by iStock

日々の家計のやりくりは亜矢子さんの母親の役割だったが、給料以上の生活をしていたから、月々の支払いに困ることも多く、それが原因で夫婦げんかになることもたびたびだった。短大出の母親は、近所の塾で講師のパートなどをしていたけれど、それでは赤字をカバーできない。結局は実家に泣きつき、自分の父親に助けてもらっていたという。地元の同級生同士で結婚したため、実家が近いという利点を活用していたのだ。幸い実家も裕福だったので、なんとかエセ金持ち的な生活を続けることができたのだと亜矢子さんは言う。