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「原子力ムラ」の代理人か…日本の原子力行政が今も抱える「3つの問題点」

福島原発事故から10年も経過したが…

東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故から10年が過ぎ去った。「フクシマなどなかった」かのように、過酷事故をめぐる報道もすっかり影を潜めている。だが、フクシマの終わりはまったく見通せないのが現実だ。東電は「あと30年で廃炉作業を終わらせる」というが、溶融した核燃料の形状も所在も正確に把握されていない。過酷事故で故郷を追われた人びとの生活保障も不充分なままの10年だった。

だが、すでに9基の原発が再稼働し、柏崎刈羽、東海第二も動きだそうとしている。また、六ヶ所村の核燃料再処理工場にもゴーサインが出されている。

2012年9月19日、新たな原子力規制機関として原子力規制委員会が発足した。しかし現在でもなお、日本の原子力行政には問題点が山積している。フクシマ10年の現実を前にして、原子力規制行政はいかにあるべきなのか。原子力規制委員会の実態を軸に考えていこう。

東京電力福島第一原子力発電所[Photo by gettyimages]
 

「原子力ムラ」の代理人か

原子力規制委員会は、国家行政組織法第3条を基本とする行政委員会であり環境省の外局である。原子力規制庁は原子力規制委員会の事務局とされている。設置以来、政権(政治)からの「独立性」が高いとされるが、果たして妥当な評価なのか。

原子力規制委員会設置法の第7条第7項第3号は「原子力に係る製錬、加工、再処理若しくは廃棄の事業を行う者」の役員・従業員は委員長または委員に就任できないという、欠格条項を定めた。

しかし2012年9月の発足当初の委員5名からして、この原則は「有名無実」と化していた。初代委員長の田中俊一は日本原子力開発機構副理事長の経歴をもつ。現委員長の更田豊志は、同原子力基礎工学研究部門の副部門長であり、「もんじゅ」や東海再処理工場を保有する原子力事業者の職員である。

中村佳代子は、放射線に関する技術の研究・普及を目指す日本アイソトープ協会のプロジェクトリーダーだ。この欠格条項に該当しないのは、外交官であり国会「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」の委員でもあった大島賢三と、地震学者であり東京大学名誉教授の島崎邦彦の両名であった。

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