舌を巻く「伏線」の連発…ドラマ『天国と地獄』の第7話に戦慄した理由

底の見えない深みがある
高堀 冬彦 プロフィール

朔也へのメッセージではないか?

なぜ、シロと言えるのか。第5話で彩子<外観は日高、以下同>は日高に向かって「アンタやってないんだから」と断言したが、その通りに第6話で彼は4番目の殺害ターゲットと目された警備会社社長の久米正彦とその夫人を殺さなかった。麻酔で眠らせただけだった。

なぜ、わざわざ眠らせたかというと、朔也へのメッセージではないか。犯行現場に先回りし、朔也に麻酔で眠っている夫婦を見せて、「犯行は分かっている」「やめろ」と伝えたかったのだろう。

日高は朔也からの手紙をずっと大切に持ち続けるなど、もとから兄弟愛が強い。その上、環境が違っただけで兄が辛酸を舐めたとなると、余計に愛おしく思うはず。一刻も早く凶行を止めたいはずだ。

まだポイントはある。歯がどういう意味を持つのかということ。兄弟は子供のころに乳歯を交換した。第6話と第7話で、4番目の犯行現場に残されていた歯が繰り返し映された。また第7話をご覧になった方ならご記憶のとおり、日高は犯行現場で目を血走らせ、息を荒げながら、何かを探していた。それは歯に違いない。

 

もう1つ。「暗闇の清掃人 φ」に描かれている殺害実行犯は朔也として、殺人指令を出すミスターXは誰なのか。

このドラマは視聴者を欺かず、伏線をすべて回収している。それから考えると、ミスターXは「法では裁けぬ悪人」を憎む人物だ。警視庁捜査一課長の十久河(吉見一豊、55)と読む。

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