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元「善意モラハラ夫」の僕が、日本に蔓延する「3つの呪い」から解放されるまで

今も多くの人を苦しめている
41歳のときに脳梗塞で倒れ、高次脳機能障害を抱えた鈴木大介さん。そんな「僕」が「大人の発達障害」のお妻様の生きづらさを理解し、対等な夫婦として暮らせるようになるまでを綴った『されど愛しきお妻様』は多くの感動と共感を呼んだ。コミカライズを機に、鈴木さんがかつての自分、そして今も多くの人を苦しめている「3つの呪い」について振り返る。
 

「僕」が抱えていた苦しみの正体

ということで、原作「されど愛しきお妻様」の発行からはや3年、同棲開始から22年。40代に突入したお妻様はというと、相変わらずです。発症から9年経つ脳腫瘍は無事再発せずに経過観察を続けていますが、いまも無職で仕事を探す気もないし、毎日の家事も猫たちの世話以外は「僕が指示したもののみをこなす」という状況が継続中。

こうして僕が原稿を書いている今日も、昼になって起きてきて、居間の陽だまりのなかで猫たちと話しながら、僕が作った雑炊をのんびり食べています。

平日の昼下がり、僕もこうして働いているし、世の中の人たちも生きていくため必死に働き稼いでいる時間に、雑炊&猫タイム……。

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よそから見たら、相変わらず我が家は仕事も家事もひとりでこなすワンオペ夫とパラサイト妻という関係性に見えるだろうし、過去の僕が見てもそう思ったでしょう。けれど、いまこの状況に、僕は不満や苦しさや違和感を、まったく感じていません。

いったい僕を苦しめてきたものは、なんだったのでしょう。

僕と妻のケースは、僕が高次脳機能障害の当事者になったことで、発達障害特性をもつ妻の生きてきた「不自由な世界」を知ることができたという、稀なケースです。けれど、僕らの間にあった問題の核心は多くのパートナーの間に普遍的にあるもので、決して特殊なものではなかったと思うのです。

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