「耳を鉛筆で突き刺されたような…」帯状疱疹が引き起こす激痛と顔面麻痺の正体

林文子横浜市長も罹患
木原 洋美 プロフィール

診断がつかないまま放置され…

●問題点:
発症後12年経過しているため、治療に反応しないことが危惧される。

1.顔面神経麻痺が改善していない。特に上唇、下唇の動きが悪く、味噌汁など水分の多いものを食べると、口角からこぼれてしまう。また、食事中に病的共同運動として閉眼してしまう。専門的な治療は受けていない。

2.近医でリリカ、リボトリールの処方を受けているが、持続痛が続き、最近リリカの効果が弱くなった感じがするとのこと。

3.慢性的な神経障害性疼痛により咀嚼筋、頸部筋に筋・筋膜疼痛が生じ、痛みを増悪させている。

4.患者は初期の治療時に十分な治療を受けられなかったので、顔面神経麻痺と痛みが続いているのではないかと不満を抱いている。

 

●和嶋医師の説明:
患者は初発症状が顔面神経麻痺を主体とするラムゼイハント症候群で、なおかつ、入院し抗ウイルス薬とステロイドの点滴治療を受けたとのことから、重症であったと思われるが、急性期治療としては十分な治療を受けられたと思われる。

ただ、ラムゼイハント症候群そのものが珍しいこと、さらに三叉神経領域の帯状疱疹が合併することは非常に稀であることから、三叉神経領域の帯状疱疹が合併し、帯状疱疹後神経痛に移行していたことは把握されていなかった。また、口腔顔面痛を専門的に診断治療できる環境が整っていなかったことから、退院後の痛みに関してはっきりした診断をつけることが出来ないまま放置され、神経障害性疼痛治療としてリリカの投与開始が遅れたことは悔やまれる。麻痺に対する専門的な治療を受けてこなかったことも残念だ。

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