「耳を鉛筆で突き刺されたような…」帯状疱疹が引き起こす激痛と顔面麻痺の正体

林文子横浜市長も罹患
木原 洋美 プロフィール

稀な疾患だが、50代以上では比較的高率で発症

――ラムゼイハント症候群とはどんな病気ですか?

子どもの頃にかかった水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の再活性化が原因で、帯状疱疹にともなう「顔面神経麻痺」などが現れる病気です。

主な症状は顔面神経麻痺、耳の帯状疱疹、聴神経症状(めまい、難聴など)で、これらの症状は2-3日の間に順次、出現してきます。

――林市長も耳が激しく痛んだと言っていますね。顔面神経麻痺に加えて耳が痛むというのは特徴的な症状なのでしょうか?

耳の帯状疱疹と顔面神経麻痺では、耳が先のケースが約20%、同時出現が約45%、顔面神経麻痺先行が約35%という研究報告があります。

 

――あまり聞かない病名ですが、珍しい疾患ですか?

帯状疱疹の年間発症率は人口10万人当たり300~500人で、その中の1/4は三叉神経領域、つまり顔に生ずると言われています。一方、ラムゼイハント症候群は帯状疱疹患者の約1%、10万人あたり年間5人程度しか発症しません。

したがって、三叉神経領域の帯状疱疹とラムゼイハント症候群が合併する例は非常に稀であると言えます。

――林市長の発症はかなり稀なケースであったわけですね。

 そうですね。ただ50歳以上では、帯状疱疹が帯状疱疹後神経痛に移行し、ラムゼイハント症候群で顔面神経麻痺の後遺症が生じることは比較的高率で生じます。

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