女性蔑視も…マッチングアプリの不都合な真実

「女性側から閲覧した場合、マッチングアプリの広告って、男性が女性に婚約指輪を差し出している写真とか、幸せそうな結婚式の写真が使われているんでしょう?」

森田は試すような口調で尋ねる。しかし答えを知っているのだろう、彼は返答を待たずため息まじりに頭を横に振った。

「男性ユーザーにどういう広告が使われているか知っていますか?」

……不穏な問いかけだ。確かに女性は男性ユーザーに表示されている広告の実態を知らない。知る由がない。女の預かり知らぬところで、一体どんなプロモーションが行われているというのだろうか。

森田は神経質そうに唇を舐めると、視線を逸らしたまま静かに続けた。

「どのマッチングアプリも全面的に性的アピールしてるんですよ。女性ユーザーに向けられているようなプロポーズだの結婚だの、そんな写真は見たことがないですね。中にはかなり露骨に性行為を連想させるイメージを使っているものもあります」

驚きでハッと息を飲むとともに、やはりそうであったかと諦めの感情が湧く。

女性に対しては誠実かつ真面目なイメージを与える一方で、男性には性的欲望を煽って会員を募る。それがマッチングアプリの実態ということ。

卑劣かつ女性蔑視も甚だしい広告が、令和のこの時代にもお咎めなしで蔓延しているのだ。

「そんな宣伝を目にして登録した男が、アプリで出会った女性に何を求めるか……説明しなくてもわかりますよね?」

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この話を聞けば、マッチングアプリに独身を偽る既婚男が不倫目的で登録していたり、ヤリモク男たちが大量発生しているのも当然の帰結に思える。

なるほど……ようやく納得がいった。森田が冒頭から「本気の出会いなどあるワケない」と一蹴したのはそういう背景があったのだ。