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【科学今日はなんの日】高速増殖炉「もんじゅ」が初の臨界を達成

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

「夢の原子炉」は夢のまま

1994年の今日(4月5日)、福井県に建設された日本で2番目の高速増殖炉「もんじゅ」が初めて臨界に到達しました。

高速増殖炉とは原子炉の一種で、燃料となるプルトニウムと使用済み核燃料などの劣化ウランを投入すると、発電を行いながら劣化ウラン中のウラン238がプルトニウム239へと変換され、最終的に入れた以上の量の燃料が生み出されるというものです。人類のエネルギー問題を解決するまさに「夢の原子炉」であるとして、鳴り物入りで導入されました。

1991年に「もんじゅ」は運用を開始し、1994年4月5日、午前10時01分に臨界に達しました。しかし、臨界から1年後の1995年に、冷却材として使われていたナトリウムが漏れ出し、火災事故が発生します。運営元の動燃(現・日本原子力研究開発機構)は事故の映像を公開したものの、切り貼りされた不十分な映像だったために大きな批判を呼び、「もんじゅ」は2010年まで運用停止に追い込まれました。

運用停止状態であってもメンテナンスは必要です。「もんじゅ」の年間の維持費は200億円にもなると言われ、莫大な建設費(約5886億円)にさらなる出費が上乗せされるということで、批判はさらに沸騰しました。運転再開からわずか3ヵ月後の2010年8月に別の事故を起こしたことが決定打となり、「もんじゅ」は廃炉されることとなりました。

「夢の原子炉」はわずか250日間しか稼働できず、文字通り夢の存在となってしまいました。しかし、「もんじゅ」の建設・維持にかかった1兆円を超える費用は、紛れもない現実です。原子力の推進を目指す人々にとっても、授業料は高くついたと言えるでしょう。日本人と原子力との付き合い方も、今一度考える必要がありそうです。

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