ユニクロ「値下げ」の衝撃…アパレル業界の「在庫問題」がいよいよ危なくなってきた!

小島 健輔 プロフィール

過剰供給と叩き売りを解消する「6つの方法」 

第一は「計果ギャップ」を最小化することで、無理な計画を立てず計画と結果の乖離を最小化する。機会損失はあるがロスとコストの減少の方が遥かに大きく、組織が無駄なく機能して運営精度が向上し収益力が格段に高まる。

第二は「需給ギャップ」を最小化することで、調達を小口化して引き付ければ需要と供給のギャップを圧縮できる。調達コストは上昇するが在庫ロスと運営コストが圧縮され、在庫回転とキャッシュフローが劇的に改善されるから経営のフリーハンドが高まる。

第三は「時空ギャップ」を最小化することで、発注から販売開始までのリードタイムを短縮し、在庫を顧客に近づければ、需給ギャップによる機会ロスも在庫ロスも減って売上も利益も伸び、物流コストも抑制できる。

在庫を物理的に集中することが最善とは限らず、顧客に近づけて分散しても的確に引き当てできれば在庫効率は高まる。C&Cにおける店(地域)在庫引き当てによる店渡しや店出荷、テザリングもその好例だ。

 

第四は「賞味期限」を最大化することで、定番性の商品をEDLP(セールしない常時お値打ち価格販売)でシーズンを通して継続販売し、売れ残れば翌シーズンに持ち越して「正価」販売する。値引きロス無しだからお値打ち価格での販売が可能で、それがまた顧客の支持を得て何年も継続することになる。ワークマンやユニクロに共通する勝ち組の方程式だ。

第五はサプライチェーンの「継続性」だ。第四に挙げた商品の「継続性」を実現するには取引関係の「継続性」が不可欠で、POS情報をサプライヤーとオンライン共有して販売予測のアルゴリズムを追求すれば製販同盟のVMIが成立する。

補給在庫のリスクをサプライヤーが分担して生産ラインをコントロールする理想的な製販同盟で、単シーズンで過剰在庫が発生しても翌期も継続販売して解消するからワークマンやユニクロの生命線となっている。

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