ユニクロ「値下げ」の衝撃…アパレル業界の「在庫問題」がいよいよ危なくなってきた!

小島 健輔 プロフィール

過剰供給は「21年春夏」も続く…

消費支出金額で20%強、購入点数で13.2%も減少したのに(購入単価は8%低下したことになる)供給数量は10.3%の減少では在庫が積み上がり、過剰供給はむしろ酷くなる

実際、緊急事態宣言で百貨店や商業施設が長期休業した2020年春夏物は過剰在庫を抱えて叩き売り状態となり、調達を抑制した秋冬物も年末年初の感染第三波と1月7日の緊急事態宣言の再発令でセール在庫の消化が進まず、資金繰りに窮するアパレル事業者も増えたと見られる。

アパレルの生産から販売まではタイムラグがあり、とりわけ供給数量の98%を占める海外生産品では数ヶ月から半年もズレる。貿易統計の衣料品輸入量は2020年の1月までは増加傾向にあり、2月は中国のコロナ禍による生産の停滞で前年から37.2%も急減したが、3月、4月はほとんど減少せず、5月になってようやく32.5%も急減している。

6月は16%台の減少だったが以降は減少幅が縮小して11月は2.6%減、12月は0.4%減とほぼ前年水準まで戻しているから、アパレル業界は感染第三波を想定せず2021年の春物は前年に近い数量を仕込んだと思われる。

 

緊急事態宣言の再発令で急遽、仕込みを絞っても、中国の春節期間(2月中旬)も挟んで輸入量が減少するのは3月以降で、春夏物の調達は終盤に入る。2020年春夏物の売れ残り在庫が積み上がったまま新作品の供給も絞れないアパレル業界は、昨年ほどではないにしても過剰在庫に苦しむことになりそうだ。

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