バドミントン歴38年。趣味は人生に不可欠

イルマリさんが熱心に時短を実践する一番の目的は、趣味の時間を確保するため。彼に限らず多くのフィンランド人は、趣味をものすごく大事にしているように見える。周囲の知人に尋ねてみると、ある人は週2回のフェンシング、ある人は週3回のバドミントン。独身者のみならず、幼い子どもを育てている人でも週に数回趣味を楽しんでおり、しかもそれが「わりと普通」の感覚であることに驚いた。

-AD-

「結婚してから子どもが生まれるまでの期間は、言語の学習、釣り、海遊び、ジム通い、バドミントンに加えて、2年間かけて妻と自宅のリフォームも行いました。ほぼ毎日、趣味の時間を確保できたおかげで、ロシア語、日本語、中国語もある程度しゃべることができますし、過ごしやすい自宅の空間も手に入りました」(イルマリさん)

「私の場合は旅行や読書が趣味になると思いますが、夫のようにひんぱんにするわけじゃないし、運動も気分が乗るときだけ。日本人らしい趣味の楽しみ方だと思いますが、フィンランド人の感覚だと趣味は“週に何度もするようなこと”を指すイメージです」(リサさん)

ヘルシンキ市内の室内テニスコートでプレーする現地の人々。シニアの利用者も時折見られ、活発にプレーしている姿が印象的だ 撮影/小林香織

よくよく趣味の話を深掘ってみると、イルマリさんは幼い頃からバドミントンのクラブに所属して活動してきたという。

「バドミントンは始めてから、もう38年になります。現在は150人ほどメンバーがいるクラブの運営委員やチームに所属していて、かなり活発に活動しています。バドミントンを続けているおかげで体調もいいし、プレー中は心配事を忘れられてストレス解消にもなる。メンバーとも仲が良く、お互いに自宅に招待するような間柄です」(イルマリさん)

イルマリさんは、さらに「趣味がない生活は考えられない」と続けた。

「フィンランド人は継続する趣味があるのが一般的で、無趣味の人はめずらしいと思います。私にとって、趣味は人生に欠かせないもの。特に年齢を重ねると、身体的な衰えが現れ老いを恐れるような気持ちも生まれますが、スポーツを続けていることでネガティブな気持ちになりづらい気がします」(イルマリさん)