「うっせぇわ」を聞いた30代以上が犯している、致命的な「勘違い」

わかった気でいる年長者に言いたいこと
鮎川ぱて @しゅわしゅわP プロフィール

若者は、LGBTQと同程度にマイノリティ

結論先取的に聞こえたかもしれないので、いくつかの補助線を引いておこう。私は単に年長世代を否定したくてこの記事を書いているわけではない。だが、いやだからこそ、せっかく本稿を読んでくださっている人に、どうしても知っておいてほしい事実がある。

それは、現代の日本社会において、若者はマイノリティだということだ。

 

筆者が5年前から東京大学で開講している講義「ボーカロイド音楽論」の中では、必ずセクシュアル・マイノリティについて触れる。国内外にさまざまな調査があるが、人口の8〜10%がLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティに該当すると言われる。

対して、現在の日本の10代(10〜19歳)の人口は約1100万人。日本の総人口(約1億3000万人)に占める割合は8%程度ということになる。セクシュアル・マイノリティの割合と同じくらいなのである。

「社会がセクシュアル・マイノリティを存在しないもののように扱うことは、あなたたち10代全員を存在しないもののように扱うことと等しい。それがどれだけ暴力的なことかわかりますよね?」

もちろん割合によらずすべてのマイノリティは尊重されるべきだが、この事実に学生はリアリティを感じてくれるのであろう、講義でこのように言うと聞く姿勢が俄然真剣になる。

あるいは筆者が言う前から、若者は自分たちもまたマイノリティであることをすでに直感的に知っているのだと思う。syudouを擁する現在のボカロシーン(若者による若者のための音楽シーン)において、すりぃの「テレキャスタービーボーイ」(2019年)やてにをはの「ヴィラン」(2020年)など、LGBTQの感性に寄り添う側面を持つボカロ曲がトップ級のヒットソングになっているのは偶然ではない。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/