WHOも掲げる「子宮頸がんは根絶可能ながん」

ワクチン接種と検診を徹底することで、今世紀中に子宮頸がんの新規罹患者を希少がんのレベルまで減らすことができるとの試算もあり、WHOは昨年、子宮頸がんの排除に向けて、2030年までに「ワクチン接種率90%(15歳未満の女性)」「検診受診率70%(35、45歳女性)」とする目標を掲げている。

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日本で子宮頸がん根絶を目指すには、「女の子の公費接種をまずは7~8割に戻し。未接種の若い世代にキャッチアップ接種を実現しつつ、検診率の向上も併せてやっていく必要がある」と宮城さんはアドバイスする。

副反応が気になり、ワクチン接種をためらう反応があることについては「どんなワクチンも副反応が出る可能性はあります。HPVワクチンについては、若い世代で接種するものですが、その年代は、機能性身体症状と呼ばれる慢性疼痛や起立性調節障害を含む多様な症状が出やすい年代とされ、ワクチン投与後に時間がたってから出る反応は、ワクチンの成分自体との因果関係はないと考えられています。

重要なことは、何らかの不調が万が一出た場合には、専門医による身心のケアが適切になされることです。そして、そのような症状が適切に対応されれば『これだけ回復する』ということを国民に公表できることが、HPVワクチンの信頼回復に重要だと思います。

日本のように反対運動で接種率が激減しても、国を挙げたキャンペーンで接種率を回復した国はいくつもあります。メディアの役割も重大です。ワクチンの安全性や効果について新しい情報をアップデートしていくことも大切(※)で、メディアは積極的に伝えてほしいと思います」と語った。

さまざまな科学的な情報が出る日だからこそ、自分事として、情報をキャッチアップしてみるのもいいかもしれない。photo/Getty Images

世界は新型コロナを抑え込むのに大変な状況になっているが、HPVと子宮頸がんにはすでに予防法があって実行するのみとなっている。今後、日本でワクチン接種率が回復していかなければ、これまで同様、たくさんの女性たちが、子どもを持つのを諦めざるを得なかったり、亡くなったりする状況が続くことになる。遠い世界で起きている病気ではなくて、ずっと前から日本で起きている問題なのだ。

3月4日は、世界中で子宮頸がん撲滅に向けて私たちひとりひとりができることを話題にして、話合う日だ。家族やパートナー、友達とも、ぜひ話題にしてほしい。みんなで悲劇を止めていければと思う。

※宮城さんの研究グループが公開しているHPVワクチンの最新情報を伝えるための
サイト「YOKOHAMA HPV PROJECT」も、参考になる