ワクチン、検診、2段階で予防を確実なものに

世界では粛々と公費によるHPVワクチン接種が進んでいるが、日本は国民のワクチンへの不信感がなかなか払拭できないでいる。「子宮頸がん検診を受けていれば大丈夫なのでは?」という声もあるが、検診はHPV感染を防ぐためのものではないし、精度も完全なものではない。そのことをまずは知っておいてほしい。

-AD-

2020年、スウェーデンの大規模研究により、HPVワクチンを17歳になる前に接種した場合、浸潤性子宮頸がんにかかるリスクが88%低下したという結果が示された。また、他のワクチン同様に、たくさんの人がワクチンを打つことで、集団免疫ができ感染の広がりにストップをかけられる。子宮頸がんを防ぐのに、ワクチンが一次予防と言われるのはこういった理由があるからだ。その次に、ワクチン自体も100%完全にHPV感染を予防できるわけではなく、子宮頸がん検診も重要な二次的な予防策となる。前がん病変を見つけることによって、結果的に死亡を予防する検診は二次予防に位置付けられるのだ。

接種が進む欧米では、集団免疫に関するデータも上がってきている。photo/Getty Images

先に述べたように、HPVは性交渉で感染する。HPVにも色々な型があって、良性のイボの原因となったり、がんの原因となるものもあれば、そうでないものもある。悪性腫瘍の発生と関係があるHPVは、ハイリスクHPVと呼ばれている。

「ハイリスクHPVに感染した場合、一部の人は持続感染したままとなり、一般的には数年から、数十年かかって子宮頸がんを発症します。先の例のように10代で若くても性交渉があれば感染のリスクはある。性行為で感染するというと性的に活発な人が感染すると思っている人がいますが、そうではなく1度でも経験があれば感染リスクがあるのです。

だからこそ、感染そのものを防ぐためにも、初交前の女の子へのワクチン接種は非常に重要です。ハイリスクHPVの16型、18型は、前がん病変や子宮頸がんへ進行する頻度が高く、スピードも速いことがわかっています。しかし、16型、18型はHPVワクチンによって防ぐことができます」と宮城さんは言う。

HPVワクチンは、感染しているHPVを除去することはできないが、年齢に関わらずHPVに感染する前や、感染しているHPVが一度消失した後の再感染を防ぐことが可能と考えられている。公費接種対象年齢でなくても、自費でワクチンをうつこともできる。