イッセー尾形✕清武英利 「ナニワの借金王」の不思議な魅力

連続ドラマ「トッカイ」話題沸騰! バブル経済とその後始末について名優と原作者が語り合う
清武 英利 プロフィール

借金が1兆円を超える

――バブルの当時はああいう人がけっこういたんですか?

清武 たくさんいたんですよ。ボクが読売新聞の社会部にいたとき、(バブル紳士の)愛人が新聞社の正面にスポーツカーで乗り付けたんです。「清武さーん」って呼んでいるというんです。もうびっくりですよ。走っていって、助手席に乗って、「やめてください、お願いします」と(笑)。

 

(愛人女性は)いくらおカネがあっても、寂しいんですよね。だから取材で出会った私のところに遊びに来たりして。

いまもまだ7000億円くらい債務がある借り手もいるんですよ。整理回収機構はいまも毎回貸し金の時効が切れるときに、訴訟しなおしているんです。利子だけで一日に二百数十万積みあがっていくんですよ。生きているうちに1兆円超えますから。一晩寝たら、こんなに借金が増えていくの?ってドキドキするよね。そんな借金を抱えて、返せんもん、って言えないですよ。恐ろしくて。

この物語で一番肝心なところは、いまも(債権回収を)やっている。さらに裁判を起こしたりして、返せ返せと言っているでしょう。そのやりとりが人間模様として面白い。向こうもへこたれないし、こっちもへこたれない。

そういう回収をいまだにやっている人がいるということを知ってもらうためにも、このドラマには今日性があると思います。「貸したカネは一生かけて返せ」という人がいて、バトンをつなぎながら「返しなさい」と言い続ける。これが真っ当な社会ですよね。

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