日経平均が3万円をキープ…「割高」なのに株価が下がらない「本当の理由」…!

考えるべき「3つの要因」
加谷 珪一 プロフィール

歴史を紐解くと、将来の期待感から株価が上昇し、その期待が実現したことによって株価が正当化されたケースと、逆に期待感が消滅してバブル崩壊となったケースがあり、実際にその時になってみなければ、株価がバブルだったのかを判定することはできない。

金融工学の理屈上、将来を正確に予想することはできないので、理論に忠実に解説するなら、市場の期待が具現化すれば株価は下がらず、期待が剥落すれば暴落するとしか説明できないのだ。ここで将来の株価について断定的に説明している専門家がいれば、それは理論を無視していることになる。

 

サマーズ元財務長官がインフレを警告

もうひとつの将来予想は、コロナ対策を目的とした大型の財政出動によって各国の政府債務が増加したことによるインフレ懸念である。

世界の主要金融機関で構成する国際金融協会は2021年2月17日、2020年における世界全体の債務が281兆5000億ドル(約2京9800兆円)に達したと発表した。2019年と比較すると24兆ドルほど債務が増えており、全世界のGDPに対する債務の割合は3.5倍以上になっている。

債務増加分の多くは、新型コロナウイルス対策として実施された大型の財政出動である。政府債務が増大すると金利上昇やそれに伴うインフレが発生しやすくなるというのは経済学の常識であり、実際、米国の著名経済学者で、クリントン政権の財務長官も務めたローレンス・サマーズ氏は、「この30年で目にしなかったようなインフレ圧力を形成しかねない」と強く警告している。

サマーズ氏による警告の是非はともかく、市場参加者の一定割合がインフレを懸念しているのは事実である。景気回復への期待感と平行した動きではあるものの、米国の長期金利は上昇を続けており、昨年末時点で1%を切っていた10年物米国債の利回りはすでに1.4%を突破した。

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