日経平均が3万円をキープ…「割高」なのに株価が下がらない「本当の理由」…!

考えるべき「3つの要因」
加谷 珪一 プロフィール

だが市場ではバブルだとして警戒する声が上がる一方で、必ずしもそうとは限らないという意見もあり、株価はなかなか下がらない。では景気が悪化しているにもかかわらず、なぜバブルではないとの見解が出てくるのだろうか。その理由は、株価というのは必ずしも経済の現状を反映するものではなく、多くが将来の期待値によって形成されるからである。

現時点において株式市場に醸成されている将来期待は大きく分けて2つある。ひとつはビジネスのデジタル化を中心としたポストコロナ社会への移行である。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

コロナ危機で時代の変化が急加速

ITインフラの発達によって、全世界的にビジネスがデジタル化されていくのは既定路線だった。だがコロナ危機の発生によって、この動きがさらに加速している。日本は諸外国と比較してデジタル化への対応が遅れていると指摘されてきたが、その日本でも4分の1のビジネスパーソンがテレワークにシフトした。日本におけるテレワーク実施率は限りなくゼロに近かったことを考えると、まさに劇的な変化といってよい。

しかも富士通のようにコロナ終息後もテレワークを継続し、オフィス面積を半減させる方針を打ち出す企業も出てきており、この動きは不可逆的なものと考えてよい。

諸外国でも営業活動の全面的なデジタルシフトなど、ビジネスのIT化が急加速しており、10年の時間軸が一気に2~3年に短縮されそうな勢いだ。市場はこうした事態を敏感に察知し、GAFA(巨大IT企業 米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コム)を中心にIT企業への買いが殺到。先端企業の株価が上昇したことをきっかけに他の銘柄も買われ、株価が高騰している。

この株価高騰は、コロナをきっかけに経済のデジタル化が一気に進み、それに伴って企業の生産性が飛躍的に向上することを期待した動きなので、もし市場が期待するポストコロナ社会が実際に到来すれば、株価は正当化され、大幅な下落を回避できる。一方、期待したように経済は動かず、満員電車で通勤する元の社会に戻ってしまった場合には、期待値がすべて剥落するので株価は暴落するだろう。

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