2021.03.05
# 株式投資

バフェットは本当に過去の人? 大暴落を予見していた人たちの共通点

内向型のほうが暴落に強い理由(3)
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投資で成功するのに必要な唯一のこと

もうひとつの例は、二〇〇〇年のITバブルの崩壊を背景にしている。登場人物はネブラスカ州オマハ出身で、内向型を自認し、気が向けば何時間もひとりでオフィスにこもることで知られている。そのウォーレン・バフェットは、あきらかに知的な持続性、賢明な思慮分別、警告信号に気づいて対処する能力の持ち主であり、彼自身だけでなく投資会社〈バークシャー・ハサウェイ〉の株主たちに巨額の富をもたらした。バフェットは周囲の人々が判断力を失っているときに注意深く考えることで知られている。「投資で成功するのにIQは関係ない。普通の知性を持っているなら、必要なのは、トラブルの種になるような衝動をコントロールする気質だ」とバフェットは言う。

ウォーレン・バフェット Photo by GettyImages
 

一九八三年から毎夏、ブティック型投資銀行〈アレン&Co.〉はアイダホ州サンヴァレーで一週間のカンファレンスを開催する。これはただのカンファレンスではない。派手なパーティや多様なアクティビティ、そして招待客が同伴する子供たちを世話する大勢のベビーシッターまで用意された、至れり尽くせりの豪華な催しなのだ。接待側はメディア産業に顧客が多く、これまでの招待客のリストには、トム・ハンクス、キャンディス・バーゲン、ルパート・マードック、スティーブ・ジョブズといった、ハリウッドセレブや新聞業界の大物、シリコンバレーのスター、有名ジャーナリストらが名前を連ねている。

アリス・シュローダーが書いたバフェットのすばらしい評伝『スノーボール』(伏見威蕃訳)によれば、一九九九年七月、バフェットはこのカンファレンスにいた。彼は毎年、ビジネスジェット機で家族をひきつれてここを訪れ、ゴルフコースを見渡せるコンドミニアムで他のVIP招待客とともに過ごしていた。年に一度のサンヴァレーでの休暇を楽しみ、家族一緒の時間を持ち、旧友たちと再会できることを喜んでいた。

だが、この年、カンファレンスの雰囲気は例年とは違っていた。ちょうどテクノロジー・ブームの最盛期で、新顔の参加者が数多くいた。まさに一夜にして大金持ちになったIT企業の社長や、彼らに資金を提供するベンチャー投資家たちだ。彼らはすばらしい成功を収めていた。人物写真で知られるアニー・リーボヴィッツが『ヴァニティフェア』誌に掲載する「メディアのオールスターたち」と題した写真を撮るためにやってくると、彼らは口々に自分も被写体にしてくれとかけあった。

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