2021.03.03
# 株式投資

「恐れ・不確実・疑い」にバツ印。株高に熱狂する人たち共通の特徴

内向型のほうが暴落に強い理由(2)
スーザン・ケイン プロフィール

「私は何度となくトレーダーに面と向かって、これこれこうなったら、あなたのポートフォリオは崩壊すると指摘した。すると彼は、そんなことがあるわけがないと怒り、私を罵倒した。問題なのは、会社にとって向こうは雨を降らせてくれる呪い師のようなもので、こちらは内向的な愚か者ということだ。となれば、どちらが勝つかは明白だろ?」

外向型は間違いがあるとかえってペースを速める

では、熱狂が正しい判断を遠ざけるのは、正確にはどんなメカニズムによるものだろう? ジャニス・ドーンの顧客のアランは、いったいどのようにして、財産の七〇%が消えてしまうぞという重要な危険信号を見逃したのか。まるでFUDが存在しないかのように、人々を駆りたてるものはなんだろう?

 

ウィスコンシン大学の心理学者ジョセフ・ニューマンが実施した一連の興味深い実験は、ひとつの答えを示している。ニューマンの実験室へ招かれて、研究の被験者になったと想像してみよう。あなたはそこでゲームをして、ポイントを稼げば稼ぐほど現金を手に入れられる。パソコン画面に一二個の数字がひとつずつ順不同に現れる。手元にはボタンがあって、被験者は数字が現れるごとにボタンを押す。押した数字が「正解」ならばポイントを獲得でき、「不正解」ならばポイントを失う。ボタンを押さなければポイントは変化しない。何度か試行錯誤してから、4が正解で9が不正解だとわかった。つまり、今度9が登場したらボタンを押さないでいればいいのだ。

ところが、そうとわかっていてもボタンを押してしまうことがある。外向型のなかでも特別に衝動的な人は、内向型と比較して、このような誤りをすることが多い。なぜだろう? 心理学者のジョン・ブレブナーとクリス・クーパーによれば、外向型はあまり考えずにすばやく行動するそうだ。内向型は「調べること」に、外向型は「反応すること」に適応しているのだ。

だが、外向型の不可思議な行動がさらに興味深いのは、間違った行動をしたあとにある。不正解である9を押してしまうと、内向型はつぎの番号に移る前に時間をかけて、なにが悪かったのかを考えている。だが、外向型はそこで速度を落とさないどころか、かえってペースを速める。

これは奇妙に感じられる。いったいなぜ、そんなことをしてしまうのか? それにはちゃんとした理由があるのだ、とニューマンは説明する。報酬に敏感な外向型は、目的を達することに集中してしまうと、なんだろうと邪魔はされたくない――否定する人だろうと、9という数字だろうと。そういう邪魔者を払いのけるためにペースを速めるのだ。

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