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2021.03.03
# 株式投資

「恐れ・不確実・疑い」にバツ印。株高に熱狂する人たち共通の特徴

内向型のほうが暴落に強い理由(2)
株価が不安定だ。日経平均株価は大台の3万円回復を31年ぶりに成し遂げた後、一気に下落した。コロナ禍で経済環境は目まぐるしく変動し、株式市場にとって好材料ばかりがあるわけではない。しかし、株は上がれば下がるとアタマでわかっていても、強気相場で他人が株で儲かっているのを指をくわえて静観などしていられず、大金を投じる人も多いのではないだろうか。こういうときにどう行動すればいいのか、心理学・脳科学面から冷静に考えてみよう。スーザン・ケインの『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』から、ハイリスク投資の心得を3回にわたりお送りする。

「熱狂」は忘れがたい「初体験」のようなもの

熱狂は楽しげに踊るシャンパンの泡のようなものだ。仕事でも遊びでも、私たちをやる気にさせる。危険な賭けをする勇気をくれる。ふだんならば絶対にできないと思っていることをやってみようという気にさせる。

たとえばスピーチ。一生懸命に準備をして、大事な講演をしたとしよう。伝えたいことを話し終えると、聴衆が立ちあがって心からの盛大な拍手を送ってくれる。講演を終えて会場から去るとき、ある人は「言いたいことをわかってもらえてうれしい。役目を果たせてうれしい。これで解放される」と思うかもしれない。ところが、熱狂に敏感な人は、「すばらしい体験だった! あの喝采が聞こえるかい? 話を聴いていた人たちの表情を見たか? 本当にすばらしい!」と思うのだろう。

だが、熱狂には否定的な面もある。「肯定的な感情を強調するのはいいことだと誰もが考えるけれど、必ずしもそうではない」心理学教授のリチャード・ハワードは、サッカーの勝利に興奮した観客が暴れて損害が生じる例をあげて指摘した。「人々が肯定的な感情を増幅させた結果、反社会的で自滅的な行動を引き起こすのだ」と。

 

熱狂のもうひとつの欠点は、リスクにつながることだろう。それがきわめて大きなリスクである場合もある。熱狂は私たちに用心しなさいという警告信号を無視させる。テッド・ターナー(彼は極端な外向型のようだ)が、AOLとタイム・ワーナーとの合併を初体験になぞらえた本当の意味は、自分はガールフレンドとはじめて夜を過ごすことに興奮して、それがどんな結果をもたらすか考えもしない思春期の青年と同じような熱狂状態だった、ということだったのかもしれない。

そんな具合に危険を無視しがちなことは、外向型が内向型よりも、交通事故死や事故による入院、危険なセックス、危険なスポーツ、不倫、再婚などの確率が高い理由を説明してくれる。さらには、なぜ外向型が自信過剰に陥りやすいかを説明する助けにもなる――自信過剰とは能力につり合わない自信を持つことだ。

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