会食接待問題が国民に与える「意外と大きな影響」に気づいていますか?

豊田 真由子 プロフィール

決定事項を朝令暮改することは、却って国への信頼を揺るがす

続投とされていた内閣広報官が辞任しました。「この状況で、政府の顔である広報官の続投は厳しいだろうな」と私も思っていましたので、そういう意味では、当初の判断が正しくなかった、結果的にはこれでよかった、ということにはなると思います。ただ、問題は、結果ではなく、プロセスにあります。

国家の在り方として、「いったん決めたことを、世論の反発が大きかったから撤回する」というのは、最悪です。根本的に、国の意思決定に対する国民の信頼が揺らぐことになってしまいます。政権が「何が『正しい』ことであるのか」という価値判断すらできないということを、自ら認めることにもなります。「『正しい』か『正しくない』かに関わらず、国の決定なんて、反対されればひっくり返る程度のもので、真剣に考えて、必要性や妥当性を検討して、得られたものでもないんだな。」という毀損をもたらすことにもなります。

 

国への信頼が損なわれると、国の方針や政策に、国民が従うことが難しくなり、例えばそれは、新型コロナの政府方針を遵守しないケースが増えるといった形で表れてきます。

そして、もしこれが、一人の公務員の処遇の話ではなく、国家の存亡や国民の生命安全に直結する国の重大な意思決定だったとしたら、どうでしょうか?もし仮に、その政府の判断が、国や国民を守るために真に「必要」なものであったとした場合に、十分な理解が得られず、出してみたら国民受けが悪かった、という理由で、それを撤回するようなことが行われるとしたら、果たして国はどうなるでしょうか?

特措法改正を巡る与党の事前修正についての本稿コラム(2021年1月29日「菅政権が「大迷走」…コロナ罰則論議で見えた「これだけの問題点」」)でも申し上げましたが、『真に必要なもの、国民のためになるもの』であるならば、たとえ、反対があったとしても、適正なプロセスを経て、実現・実行するのが、真に国と国民を守り、その未来にしっかりと責任を持つ政府の姿です(「独裁を許す」という意味では全くありません、念のため)。そして、危機下において、その必要性は一層増しています。

今、不安や不寛容の蔓延する社会において、多くの国民は「一体何を信じればいいんだ?この先どうすればいいの?」と感じています。「安全・安心を届ける」という言葉が、空虚に響かずに、本当に実行されることが、強く求められています。

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