会食接待問題が国民に与える「意外と大きな影響」に気づいていますか?

豊田 真由子 プロフィール

例を挙げれば、霞が関で、

・精神的な不調を理由に1か月以上休職した人は1.39%(人事院令和元年度年次報告書)、民間企業は0.4%(厚生労働省平成29年労働安全衛生調査)
・自殺率(対10万人)は16.4(民間の約1.5倍)(2018年慶應義塾大学院岩本隆教授レポート)
・2019年度の20代官僚の自己都合退職者は87人(6年前の4倍)(内閣人事局)、
・2020年度の国家公務員総合職採用試験の申込者数は、16,730人で過去最少(過去最多だった1996年は45,254人)

となっており、数字に顕著に表れています(もちろん、ここでの官民の相対的な高低は、比較のための参考であり、官民関係なく、働きづらい・生きづらい環境は、どこであろうが、早急に改善されなければなりません)。

私の15年の役人生活においても、自殺した友人・知人の数は、二桁に達します。仲の良かった友人の墓参に毎年行きますが、志半ばで倒れた彼らの無念を思います。

 

もちろん、コロナ禍で大変な思いをされている方が多くいらっしゃる中、公務員は、失業や減収の心配もないではないか、というご指摘はよく分かります。ただ、彼らも決して安穏とした毎日を送っているわけではなく、また、メディアで語られがちな“傲慢不遜な官僚像”が、実際の多くの彼らの姿では全くない、ということなのです。

そして、個人の人生の問題にとどまらず、大きく国益を損なう事態となっていることが深刻な問題だと思います。霞が関の仕事は、多岐に渡る複雑で膨大な国の政策を立案することです。これまで長きに渡り、政治がどうなろうと、そこからきちんと独立した形で、知見経験専門性に基づいて国の政策を担ってきたことで、国が回ってきた部分が大きくあると思います(政治の果たしてきた大きな役割や、大変さもよく分かっております)。

なので、そこが機能不全に陥ってしまうということは、すなわち、国のまともな政策を立案できる人材及び組織がなくなる・著しく劣化する、ということであり、それは結果として、じわじわと、国民に甚大な被害をもたらします。民間と違って、A社が潰れてもB社がある、という状況にはなく、替えがききません。

企業や業界のように、業績悪化が目に見える形では表れてはきませんので、認識されにくいかもしれませんが、しかし、めまぐるしく変化する現代社会において、社会保障、経済、財政、農林水産、教育、防災、外交、環境、国防等の、様々な国の政策が、適切・的確に、立案されていかないとすれば、それは日本国と国民の未来を、大きく毀損する事態につながるのだと思います。

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