会食接待問題が国民に与える「意外と大きな影響」に気づいていますか?

豊田 真由子 プロフィール

政治が霞が関を潰す。そしてその結果は、国民に大きな弊害をもたらす。

かねてより申し上げていますが、官邸や内閣人事局(2014年設立)が、役所の人事に恣意的に介入するようになったことは、大きな問題で、厳密にいうと、三権分立を揺るがすおそれすらあると考えています。もちろん、総理や大臣というのは、行政庁の長であるわけですが、その本質は、あくまでも政治(家)です。

公正な人事評価の難しさというのは、世の中の至る所で実感されていることだと思います。超厳格な上下関係の中、レクチャー等のときに接するだけで、長年職場で一緒に仕事をし苦楽を共にしてきたわけでもない官邸幹部に、各省庁の人材について、その能力や専門性、適性等に基づいた、正当で公正な人事評価が、果たしてできるのでしょうか? ましてやそれが、「自分の言いなりになるかどうか」なんていう指標で決まってしまうとしたら、そのもたらす結果は、目も当てられません。

行政官というものは、全体の奉仕者(日本国憲法15条)として、常に公正中立に、国民のために邁進せねばならないのであり、たとえ本意でないとしても、一部の政治家の顔色をうかがい、忖度ばかりをせねばならなくなったとしたら、確実に国の政策は歪み、国益は大きく損われます。一部の政治家の利益は、多くの場合、広く国民の利益とは一致しないでしょう。

 

これまでの長きに渡り、政治が行政に人事介入する制度化は、なされてきませんでした。今、その禁じ手が行われてしまったことの弊害は、とてつもなく大きいのです。これが、裁判官や検察官に対する人事介入だとしたら、どうでしょうか?役所に対する人事介入も、問題の本質は、変わらないはずです。

そしてこれまでずっと、苛酷な長時間労働、メディアからのバッシング等で、疲弊してきていた霞が関に、この不条理かつ横暴な権力の行使が、最後の大打撃を与えたと思います。多くの人材の矜持ややりがいを失わせ、メンタルの不調や自殺を招き有為な人材は去り、そして入ってこなくなり、結果、現実問題として、霞が関はどんどん機能しなくなっていってしまいます。

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