「日本は子どもをリスペクトしないよね」

若者のリアルな感想も聞いてみたいので、大学4年生になる長男に、どう思う? と尋ねると「めちゃくちゃ共感できる」と言う。

「大人に対するレジスタンスだよね。大人が思っているよりも、子どもとか若者はストレスを抱えてるんだよね。俺も含めてね。日本はさ、上下関係の文化が根強いじゃん。それをいいことに、子どもをリスペクトしないよね。人生経験は大事だと思うよ。でも、すべて大人が正しいとは限らないよね。特に今これだけ価値観とか変わってるのに、自分たちの経験則を押し付けようとするよね。だからこれ聴くと、過去のことを思い出すんだよ」

彼のこころに影を落としているのは、とある学校の部活動だ。顧問の先生は、対外試合で生徒がファウルすると「そんな態度で恥ずかしい」と怒った。何かあれば罰を与え「連帯責任」を打ち出してきた。先生なりに、生徒を成長させるためだと考えていたのだと思うが、思春期真っ只中の彼らとなかなかかみ合っていないように見えた。

ファールをしたから罰則、連帯責任。「なぜそれをするのか」という理由なしに押し付けられた経験は心に傷を生む(写真はイメージです。本文とは関係ありません) Photo by iStock
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先生が「恥」と感じる部分を多く持ち合わせていた長男は、怒られるので、反抗する。悪循環だった。
親としては「先生に反抗してばかりじゃダメだよ」と言ったほうが良かったのかもしれない。だが、父母ともに思っていないことは言えない性格のためほったらかし。よって、長男は仲間と尾崎豊『卒業』大合唱という風情であった(校舎の窓ガラスは割らんけど)。

息子は続ける。
「日本の社会って人間の同質化を目指してるよね。例えば、みんながこれをできないとダメ。できない人、苦手な人は他のことができればいいよ、とはならない。大人が子どもに同質化を求めるから、友達同士もそうなって自分と違うやつを許容できない。それでいじめが起きるよね」