ミスコンに存在意義はあるのか

映画では、ミス・フランスがルックスだけではなく、環境問題や社会課題も評価対象にするコンテストへと変貌していることを映し出しているが、それでも、女性の多様な美しさに勝敗をつけるミスコンの存在意義はあるのだろうか? アウヴェス監督にこの質問を投げかけてみると、彼は髪をくしゃくしゃっとしながら、「難しい質問ですね!」と少し考え込み、こう切り出した。

「ミスコンにより美が画一化されてしまうと、多様な美がひとつの形に支配されてしまいます。それには断固反対です。私自身は個性、つまり、その人らしさに“美”を感じます。実はこの映画を撮るにあたり、1年近くミスコンの出場者に取材をしました。すると、ミスコンによって救われたという若い女性たちが非常に多かったんです

『MISS ミス・フランスになりたい!』より

監督が取材した若いミスコン経験者のなかには、イジメや拒食症で悩んでいた女の子たちが少なからずおり、彼女たちはミスコンにチャレンジすることに人生の目標や方向性を見出していたそうだ。出場者に自信をもたせたり、出場者がロールモデルとして観客に希望を与えたりすることができるのならば、ミスコンの存在意義は十分あるだろう。ただし、ミスコンの美の審査が彼女たちの幸せを左右するようなことがあってはならない、と監督は力説する。

『MISS ミス・フランスになりたい!』より