英語はあくまでもツール

ただ、このコロナ禍でテレワークが推進されてきたことにより、日本の大人たちも気づいてきたのではないでしょうか。Zoom会議では、発言しなければそれで終わり。「いるだけでいい」という常識は通用しなくなりました。会社員にせよ、起業家にせよ、人と違うことを発信して自己表現ができる人が成功していく時代です。

私が主宰する英語のクラスに入会を希望される親御さんたちにも、変化が訪れているように思います。以前は、子どもに英語を学ばせる目的として、「英語を話せる子になってほしいから」とおっしゃる方も多かったのですが、近頃は「自己表現をできる子になってほしい」「広い視野を持ってほしい」「思考力を磨いてほしい」ということを目的にあげる親御さんが増えているのです。そう、英語はあくまでもツールであって目的ではない、英語「を」話せればいいのではなく、英語「で」自分の言いたいことを主張できる子になってほしいのだ、ということに気づいているのだと思います。

子どもたちがこれから出ていくのは、オンラインですべてがつながり、国のボーダーも意味をなさなくなる社会です。例えばインターネット上の情報は、英語で書かれているものが60%近く、日本語はわずか2〜3%にしか過ぎません。日本語しかできないより、英語をできたほうが、自分の人生に役に立つ情報を手に入れられる量は遥かに多くなります。日本人だけに通用する暗黙の話を発信するのではなく、ボーダーを超えて自分の考えを発信できるお子さんがいきいきと活躍できる可能性は高くなるのです。

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自己表現に必要なのは思考力

ただ、自己表現することが当たり前の文化で育っていないと、これはなかなか難しいものです。○×で答えられたり、ググれば回答が見つかるような問いが並ぶテスト問題に慣れていると、自己表現力はなかなか磨かれません。自己表現するためには、自分だけの考え、他の人とは違うオリジナリティは何かと突き詰めていく思考力がどうしても不可欠なのです。

Summer in JAPANの英語プレゼンのクラス。自分のオリジナルの価値を相手に提供しようという常日頃の訓練から、ハーバード生たちのプレゼン力は磨かれている。写真提供/廣津留真理

では子どもの思考力を磨くにはどうすればいいのでしょうか? それは、簡単です。日常生活のちょっとしたことに疑問を持つ機会を与えてあげることです。そこにある答えを当たり前と受け止めず、不思議に思うことから思考力は育ちます。これこそ学校や塾に任せずに、家庭内で親子で取り組みたいことです。私が、娘のすみれの小さい頃から楽しんできた遊びをご紹介しましょう。