天国と地獄、オー!マイ・ボス!、俺の話…今期冬ドラマ「中毒的な面白さ」の秘密

高堀 冬彦 プロフィール

クドカンと長瀬智也の名タッグ

■TBS『俺の家の話』16.0%(世帯視聴率は8.2%)

最初に脚本を書いているクドカンこと宮藤官九郎(50)の冤罪を晴らしたい。「クドカン作品は低視聴率」とよく言われるが、この作品は1月スタートの連ドラの中で総合視聴率は4位なのだ。この放送枠は録画派が多い。

主人公は観山寿一(長瀬智也、42)。能の観山流宗家を継ぐはずだったが、父親の寿三郎(西田敏行、73)に反発し、17歳で家出。プロレスラーになった。だが、寿三郎が倒れたため、25年ぶりに家に帰る。そこから物語は始まった。

TBS『俺の家の話』より

当初は介護と遺産相続をテーマにしたドラマと見る向きも一部にあったが、それが違うのはご存知の通り。クドカンが実用DVDみたいな作品を作るはずがない。なにしろ、登場する介護と遺産相続の話の信憑性は疑わしいのだ。

例えば第2話。弟で弁護士の踊介(永山絢斗、31)は、寿三郎が恋するさくら(戸田恵梨香、32)に有利な遺言状を書こうが、自分が遺言執行者になったら、何とかなると言った。現実にはどうにもならない。逆に、遺言執行者には遺言状の内容を忠実に実現する義務が生じてしまう。

TBS側は「濃すぎる家族が織りなす王道のホームドラマ」と謳っている。そう、小難しい話ではないのだ。親子愛、家族愛をクドカン流に笑わせながら見せる物語なのだ。

能とプロレス。まったく違うようで共通点の多い2つの職業を取り入れたアイディアはお見事としか言いようがない。どちらも面(マスク)を使い、舞台(マット)で演じ、様式美を重んじる。   

無理な組み合わせと思われたが、共通点が多いから、不思議と調和も採れている。おまけに劇中劇(能)と劇中プロレスがあるので見応えが増している。

 

第4話で芸養子の寿限無(桐谷健太、41)が寿三郎の実子があることが分かった。続く第5話で寿三郎がかつて福島の看護師・まゆみと結婚を約束していたと話すと、さくらが「まゆみ・・・」と言い、動揺した。はぁ、さくらも娘なのか?

さくらは第2話で、母親が仕事で朝帰りをしたり、2、3日帰らなかったりしたと話した。夜勤もある看護師なら符合する。母子で東京に流れてきたと言ったが、出身地は口にしていない。

いずれにせよ、確かに「濃すぎる家族」だ。

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