天国と地獄、オー!マイ・ボス!、俺の話…今期冬ドラマ「中毒的な面白さ」の秘密

高堀 冬彦 プロフィール

当事者とは思えない口ぶりだった

ひょっとすると、真犯人は日高<外観は綾子、以下同>でないどころか、日高も真犯人を追っているのではないか。

日高は第6話で、4番目の殺害ターゲットと見られた警備会社社長の久米正彦とその夫人を殺さず、一方で同じ夜に違う誰かが殺されたのはご存じの通り。

それだけではない。振り返ると、パチンコ会社社長とゴルフ場開発会社社長が殺された後の第4話で、日高は殺害リストを眺めながら「次は何なんですかねぇ」と推理にふけっていた。当事者とは思えない口ぶりだった。

第6話の日高は久米邸前でクスリが入っていた空シートを拾い上げ、「時間がないですねぇ」と、つぶやいた。真犯人は病気で余命が短いのではないか。

また日高の魂は彩子と入れ替わる前から女性である可能性が高い。第5話で彩子<外観は日高、以下同>は日高に向かって「前から思ってたんだけど、あんた化粧好きよね」と不思議がった。そもそも、男が急に化粧を始めるのは難しいはずだ。

このドラマはフェアで考察を混乱させる無駄なシーンは皆無。なので、空シートも化粧の話も視聴者へのサインだろう。

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終盤を考察すると、吸引する力が高まるとされる満月の夜、綾子と日高は再び入れ替わるはず。前回、入れ替わったのも満月の夜だった。

真犯人は誰かというと、その1人は陸(柄本佑、34)から師匠と呼ばれる湯浅(迫田孝也、43)の疑いが強い。第5話で湯浅は陸に対し、「俺は余命3カ月」と冗談めかして言った。久米邸前でクスリを飲んだのは湯浅なのだろう。この男は父親のせいで、金で苦労している。真犯人は汚い金を得た者を憎んでいる。また、アパートの表札が漢数字入りの「三枝」になっているのも意味深だ。

では、テーマの善と悪はいつ描かれるかというと、既にその一部は表されている。入れ替わりの前、正義より手柄を優先していた彩子が、悪を憎む本来の自分に戻りつつある。

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