菅政権の大誤算…日本のコロナワクチン接種、「日程は破綻」「説明少なすぎ」のヤバい現状

田中 圭太郎 プロフィール

世界で起きているワクチン争奪戦

新型インフルエンザのワクチンをめぐっては世界で争奪戦が起きており、日本も無関係とは言えない状況に置かれている。日本がファイザー社から供給を受けることで合意している1億4400万回分のワクチンは、ヨーロッパ連合(以下、EU)内の工場で生産され、日本に発送される。発送のたびにEUから輸出の承認を受ける必要がある。

しかし、ファイザー社のワクチン供給は、EU各国に対しても遅れている。生産ラインを見直したため供給が一時削減され、3月末までのEUへの供給は、計画の4割程度になる見込みだという。さらに、イギリスのアストラゼネカ社が生産するワクチンは、EUへの供給削減が発表された。EUのミシェル大統領は「法的措置も辞さない」と発言。EU各国は接種計画の変更を迫られている。

ミシェル大統領〔PHOTO〕Gettyimages
 

スウェーデンのカロリンスカ大学病院に勤務する日本人医師の宮川絢子氏は、EUのワクチンの供給の状況を次のように説明する。

「ヨーロッパではイギリス対EUでワクチンの取り合いになっています。アストラゼネカ社のワクチンをイギリスが出さないなら、EUはファイザー社のワクチンを渡さないという状況も一時ありました。

スウェーデンでは12月27日から要介護の高齢者と、介護と医療の従事者から接種が始まっています。接種のペースは、EUの中で早いわけでもなく普通だと思いますが、国民全体が6月いっぱいで接種を終えるという目標の達成は難しい状況になっています」

日本ではファイザー社に続いて、アストラゼネカ社が2月5日に承認を申請した。しかし、アストラゼネカ社のワクチンについては、供給の問題とは別の懸念もある。65歳以上を対象とした治験がほとんど行われていないのだ。EUではスイスが承認しない方針で、スウェーデンやフランス、ドイツなどでは65歳以上では使用しないことにしている。

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