個人投資家、ヘッジファンドに勝利!? 「ロビンフッド」は過熱する株式市場の「誰の味方」か

米国で若年層の個人投資家を中心に人気を誇る、手数料無料の投資アプリ「ロビンフッド」。そのユーザーが特定銘柄に殺到して株価が急騰する「ロビンフッドラリー」の問題点を当サイトでは指摘してきたが、ブームはますます拡大の一途をたどっている。

つい先日も「ゲームストップ」という銘柄をめぐり、ロビンフッドユーザーの個人投資家とヘッジファンドが対決する一幕があった。結果はまさかの個人投資家の「勝利」ーー。そこにはいかなる背景があったのか。

米国の投資運用会社で働いた経験があり、『マネーの代理人たち』の著書もある小出・フィッシャー・美奈氏が、株式市場を席巻するロビンフッドの影響力と危険性を明らかにする。

YOLO、人生は一度きり!

YOLO。

ヨーローって何やねん?というと、「人生は一度きり(You Only Live Once )」の略だ。Twitterのハッシュタグ(#)などと並んで、20代から30代の若者のネット用語になっている。

そして「YOLO株」とは、若いトレーダーらの血を騒がせるホットな株を指す。人生は一度きり、だから大きな勝負をしよう、というわけだ。

米国では今、無料携帯投資アプリ、ロビンフッド上で取引されるYOLO株が大きく株式相場を動かし、社会現象となっている。(関連記事:手数料ゼロの人気投資アプリ「ロビンフッド」 ウラで誰が損するのか?

その代表格が「ゲームストップ」という株だ。銘柄コードはGME。

筆者も時々チェックする投稿サイト「レディット (Reddit)」の投資コミュニティーは、1月から2月にかけて、GMEとYOLOコメントで連日持ちきりとなった。

Photo by Gettyimages

株のジェットコースターと言うのは、こういうのをさすのだろう。もし、底値の時に貴方が日本円で10万円相当を投じていたら、1年足らずでそれは1600万円くらいになった。そして有頂天になっていたら、今度は1週間ほどで160万円くらいに暴落したのだ。

1日の値動きも極端だった。1月25日から2週間のGMEの値動きを辿れば、2割、9割、1.3倍と上昇を続けた後に4割下げ、その後7割再上昇。そのまま値を戻すかと思いきや、翌週はマイナスの3割、6割、4割、と転げ落ちていった。

特にロビンフッドが取引制限(保有株の処分以外を一時停止)を発動した1月28日は、午前中に4割上がった後、ニュースを受けてそこから7割も急降下。多くのトレーダー達をアドレナリン過多の興奮状態に追い込んだ。

 

ちなみにゲームストップという会社は、ビデオゲームのソフトや機器を扱う小売チェーンだ。テキサスに本社があり、米国やカナダなどで約1000店舗を展開する。オンライン化の動きに押されて売り上げは減少傾向、利益も赤字転落。時代に淘汰される典型的なビジネスだと見られて、株価も長期低迷していた。

昨年の4月初めには3ドルを割り込んで、そのままピンクストック(1ドル未満の低位株)の仲間入りをしそうな気配だったのだ。

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