デート中もスマホから離れない男

しかしながら交際後、アキラへの違和感はどんどん高まっていった。

二人は週に一度のペースでデートを重ねるようになったが、変わらず毎日連絡を取り続けているにも関わらず、初回と同様、彼は対面で会うとほとんど喋らず会話がまったく盛り上がらなかったのだ。

「LINEや電話のコミュニケーションはすごく楽しいしラブラブなのに、会うと無口な人なんです。でも外見はタイプだし、私もすっかり“オンライン上”の彼に恋してしまったので、戸惑いながらも付き合ってました。そのうち現実に近づくことを期待して……」

けれど、二人のこの奇妙な関係は一向に改善しなかった。

むしろアキラは玲美の存在に慣れるにつれさらに無口になり、現実と“オンライン”の差は開くばかり。「あなたはLINEと対面だと少し印象が違う」とさり気なく指摘もしたそうだが、本人に自覚はないようだった。

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「そのうち彼、私といるときにスマホを見るようになったんです。それも、暇さえあればずーっと見てるんですよ。一緒にゴハンを食べてる時も映画を観てる時も、私が喋っている時も寝る直前も」

玲美の声に怒りが滲み始める。

「結局気になって隙を見て覗き込んだら……アプリで出会った女の子とやり取りしてました。それで他のマッチングアプリを調べたら、次から次へと彼のアカウントを発見したんです」