日経平均3万円の意味―まだまだ強気でかまわない歴史的局面を解説

空前の個人金融資産1900兆円の行方
高田 創 プロフィール

一方、日本の家計の金融資産は過去最高1900兆円に

図2に示されるように、最近の日銀の統計上、日本の家計の金融資産は1900兆円を超えて史上最高水準にあり、世界有数の家計資産を擁する金融大国である。

■図2 日本の家計の金融資産推移

一方、その金融資産構成比を欧米と比較すると、図3にあるように、現預金比率の高さは50%を上回り、欧米と大きな隔たりがある。しかも、その比率は2020年にコロナショックで一段と高まって54.2%に達した。

資産運用業は欧米に比べて30年近い遅れがあると長年言われ、欧米との差の背景には日本人の金融リテラシーの不足とされることも多かった。

ただし、1989年、平成元年をピークとした株式市場、平成のバブル崩壊後、長らく続いた資産デフレと超円高の「冬の時代」において、日本国民が円で、しかも現預金で資産を保有してきたのは極めて合理的な行動だった。

すなわち、日本人は「冬の時代」で長らくリスク性資産投資で成功体験が得られる環境ではなかったなか、円資産、かつ現預金で資産を保有するのは自然でもあった。日本人のマインドセットは依然、「冬の時代」のままの状態が続いていると考えることもできる。

■図3 日米欧の金融資産の構成比比較

現実に2020年以降、コロナショックで資産運用に向かうというより、むしろ現預金への集中は加速された状況にある。以下の図表は、家計の金融資産の推移であるが、コロナショックで一層、現預金の拡大が生じている。現預金が2020年4~6月期以降、30兆円程度の急激な積み上がりが確認される。

 

■図4:家計の資金過不足の推移

編集部からのお知らせ!