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日経平均3万円の意味―まだまだ強気でかまわない歴史的局面を解説

空前の個人金融資産1900兆円の行方

米国でも大恐慌の回復に25年かかった

日経平均が2021年2月、30年ぶりに3万円の水準に戻った(その後、いったん調整があったが3万円近辺を維持している)。バブルのピークである38915円の水準にはまだ差があるが、それでも心理的には大きな節目を超えた。ここまで長期の時間を要したのはバブル崩壊に伴う調整震度があまりに大きかったことを反映したものだ。

歴史を振り返れば、1929年の米国ニューヨークで始まった世界大恐慌から、NY市場が崩壊直前の水準に戻ったのは四半世紀後の1950年代半ば、まさに第2次世界大戦後の米国黄金時代になってからだった。「パックス・アメリカーナ」とまで称され、この上ない環境にあった米国でも大恐慌の後の調整からの回復には四半世紀の年月を要した。

それだけに、既に世界の檜舞台から後退した日本が大恐慌並みの資産デフレの調整から戻るには更なる長期の年月を要してもおかしくはないのかもしれない。

バブル崩壊後「雪の魔法」がかかった「冬の時代」

以下の図1は、日本の株式時価総額を1980年代から海外と比較したものだ。

■図1 世界の株式の時価総額推移

1989年、平成元年をピークとした株式市場は、平成のバブル崩壊後、海外では右肩上がりの上昇が続いたなか、日本は海外から隔絶された停滞、「日本化現象」が生じた。さらに、資産デフレに加え円高も加わるダブルパンチとなった。

日本はこの資産デフレに超円高が重なり、さながら「雪の魔法」にかけられたかのような「冬の時代」の長いトンネルに入った。

資産デフレのなか、企業はバランスシートに資産を「持たない経営」が基本となった。超円高でも海外市場で競争力を確保すべく価格を上げないために、経費・マージンを圧縮するリストラが同時に基本になった。

この「持たない経営」と「リストラ」は個別企業の生き残り戦略としては妥当でも、マクロ的には「合成の誤謬」として縮小均衡のデフレ・スパイラルを招いた。

 

同時に、家計の金融資産は株安・円高環境の中、円での現預金保有に集中し、更なる、株安・円高が定着する一層の悪循環を強めた。しかも、こうした状況が数年であればともかく、当初いわれた「失われた10年」がさらに20年、四半世紀となっていく中、企業・家計・金融機関のマインドセットが「冬の時代」に完全に染まった状況になってしまった。

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