衰えてはいても、枯れた演技には持っていかない

お客さんを前にしたオモシロこそが、古田さんの主戦場。自ら作った演劇ユニットでの『獣道一直線!!!』の次は、古巣である劇団☆新感線の長期公演が待っていた。かつて木野花さんが『花の紅天狗』(1996年初演)で演じたハイテンションな月影花之丞、今回は、2003年に上演された『花の紅天狗』のスピンオフ作品だ。月影花之丞率いる劇団で、古田新太、阿部サダヲを筆頭に強烈キャラクターが暴れまくる。

「コロナ対策とはいえ、また古いネタ持ってくるな、と。でも、阿部(サダヲ)とやるのも久しぶりだし、クオリティの高い楽曲と、クオリティの高いダンス、それを持ってしてまで、こんなにくだらないことができることを発表できれば面白いかなと思った。そこに、ジャニーズからは文ちゃん(浜中文一)、元乃木坂46のななちゃん(西野七瀬)が付き合ってくれるわけで。 
18年ぶりの『月影〜』だけど、やっていて面白いことっていうのは、木野さんの中でも、おいらの中でも、阿部の中でも、変わっていないはずなんです。ただ、こっちの体力が衰えているだけで……。今、一つ心に誓うのは、『枯れた演技には持っていかないぞ!』ってことかな」

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現在55歳の古田さんが酒飲みなのは有名だが、聞けば、若い頃から酒量はさほど変わっていないらしい。
「鍛えることと防御することは女々しいという考え方なんです。体がキツければ『キツい』と言えばいいだけの話。健康のために酒を控えるっていうのは、いつまでもカッコよくいたい人がすることで、おいらは、衰えたら衰えたままでいい。昔は飛び越えられていたハードルが、今は下を潜るしかなくなっていても、オモシロにつながればそれで」

枯れたくはないが衰えはOK。その塩梅も、古田さんの“笑癖”から来るものだろう。衰えをオモシロにしている枯れない先輩として真っ先に浮かぶのは、伊東四朗さんだという。
「この間、楽屋にいたら、ドアの向こうで、『コンコーン』ってノックの音を声に出していう人がいる。『開いてますよ』って言ったら、伊東四朗先輩が、『ニン!』って言いながら入ってきて、おいらに向かって、『先生、仕事ないので、仕事ください!』って言うんですよ。思わず、『もう〜何してるんスか。帰ってください!』って言っちゃった。小松の親分が亡くなって凹んでるらしいですけど……。将来は、ああいうジジイになりたいです」

撮影/山本倫子

古田新太(ふるた・あらた)
1965年生まれ。兵庫県出身。1984年、大阪芸術大学在学中に「劇団☆新感線」に参加し、以降、看板俳優として活躍。劇団の舞台での当たり役を数多く持つ。テレビ、映画、外部の舞台などでも幅広く活躍。「関ジャム完全燃SHOW」にレギュラー出演中。出演ドラマ『小吉の女房2』(BS時代劇)は4月スタート、公開待機作に映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(5月7日公開予定)、松坂桃李とダブル主演を果たした『空白』がある。

月影花之丞大逆転
これまでは、出演者とスタッフを合わせて100人規模のカンパニーで作品を作り上げてきた劇団☆新感線。コロナ禍で「密にならない、短い上映時間で、新感線らしい、観たお客様が元気になる作品」を作るべく、「Yellow/新感線」として発進。『月影花之丞大逆転』は、2003年に木野花が月影花之丞を演じた『花の紅天狗』のスピンオフ作品。爆発的テンションの月影花之丞率いる劇団で、古田新太、阿部サダヲを筆頭に強烈キャラクターが暴れまくるドタバタ・コメディ。作・中島かずき 演出・いのうえひでのり 

東京公演:2月26日(金)〜4月4日(日)東京建物Brillia HALL 電話0570−00−3337(サンライズプロモーション東京)大阪公演:4月14日(水)〜5月10日(月) オリックス劇場 電話0570−200−888(キョードーインフォメーション)