「人類が永続的に繁栄するために、地球を再生する経済システム」。それがサーキュラーエコノミーです。その取り組みは、すでにEUやアメリカ、中国でも始まっています。これからの循環型社会を見据えたシステムを紐解いてみました。

教えてくれたのは……
中石和良さん
2013年にBIO HOTELS JAPAN(一般社団法人 日本ビオホテル協会)を設立。2018年に一般社団法人 サーキュラーエコノミー・ジャパンを創設し、代表理事として日本でのサーキュラーエコノミーの認知拡大を推進する。

リニアエコノミーとサーキュラーエコノミー。
同じ“エコノミー”だけど、何がどう違うの!?

リニアは“直線”、サーキュラーは“循環”ってこと。

上の図から分かる通り、リニアエコノミーは地球にある資源から製品を作り販売し、使わなくなったら捨てる。直線的で一方通行の経済で、日本をはじめほとんどの国がまだこの状態です。こうした経済ではいつか資源は枯渇し、環境は限界を超えてしまいます。

さらに温室効果ガスの排出は増え続け、処理しきれない廃棄物が世界中にあふれ、大量の海洋プラスチックが生態系を脅かします。いわば「持続不可能な経済活動」ということです。そうした課題を解決する経済システムとして注目されているのがサーキュラーエコノミー。これは資源から製品を作って使い、捨てずに使い続けるという経済構造。経済全体を「円」として捉え、循環させていくシステムです。

日本ではこれまで「3R=リサイクリング・エコノミー」に取り組んできましたが、これは廃棄物の発生を抑制しつつ、有用な廃棄物は再利用するというもの。悪いことではないですが、「廃棄物を排出すること」が前提で、あくまでもリニアエコノミーの延長線上といえます。かたやサーキュラーエコノミーは「まずは廃棄物と汚染物を発生させないこと」が大前提。これまでとはまったく異なる経済のあり方なのです。

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サーキュラーエコノミーの定義って?

合い言葉は“揺りかごから揺りかごへ”だよ。

サーキュラーエコノミーの3原則は、(1)廃棄物を生み出さないデザイン(設計)を行う。(2)製品と原料を使い続ける。(3)自然システムを再生する。イギリスに本部があるエレン・マッカーサー財団が提唱したもので、グーグルなどのグローバル企業やNGO、欧州各国の政府も巻き込んで、サーキュラーエコノミーへの移行を推進しています。

背景にあるのは欧州と米国で広がりつつある「クレイドル・トゥ・クレイドル(揺りかごから揺りかごへ)」という考え方。揺りかご(地球)から採った資源を墓場(廃棄場)へ捨てていたリニアエコノミーから脱却し、揺りかごから採った資源は継続的に再利用して揺りかごで使い続ける、完全循環を目指したものづくりです。欧州と米国を中心に「クレイドル・トゥ・クレイドル(C2C)認証」という認証制度が実践されています。