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# 雇用

ベトナム人労働者「激増」が示す、日本の解決できない「労働力不足」の現実

外国人労働者増加傾向は続く

「ビジネス上必要な人材等」

新型コロナウイルスの蔓延による経済停滞が続く中で、外国人労働者の数は減っているかと思ったら、増加が続いていることが分かった。

厚生労働省がまとめた2020年10月末時点の「外国人雇用状況」によると、外国人労働者の数は172万人と過去最高を更新した。1年前に比べて4%の増加で、2015年以降、2ケタの増加が続いてきたのと比べると、さすがにブレーキがかかっている。

日本国内での非正規雇用が大きく減る一方で、外国人労働者がむしろ増えているのは、「安い労働力」を求める企業が多いことに加え、いわゆる「3K職種」など日本人が忌避する業種で人手不足が続いていることがある。

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日本で働く外国人と言えば中国人が圧倒的に多いというイメージに違いない。だが、この1年で大きな変動が起きた。中国人は0.3%増とほぼ横ばいだったにもかかわらず、ベトナム人が10.6%増と激増。

ついに中国人労働者の41万9431人を上回り、ベトナム人が44万3998人と最も多くなったのだ。ちなみにネパール人も総数は9万9628人と多くはないものの、1年で8.6%も増えた。

なぜか。新型コロナで入国を厳しく制限する中で、1回目の緊急事態宣言が明けた2020年6月から「ビジネス上必要な人材等の出入国について例外的な枠を設置」した。

入国後の14日間の自宅等待機期間中も、行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能になるよう行動制限が一部緩和される「ビジネストラック」と呼ばれる枠と、自宅などでの14日間の待機は維持する「レジデンストラック」が設けれた。そのうえで、7月にはタイと並んでベトナムが真っ先にこの対象国に指定されたのだ。

また、10月1日からは、ビジネス上必要な人材に加えて、留学や家族滞在といった在留資格を得た外国人を対象に加え、全ての国・地域からの新規入国を許可した。その際に、「防疫措置を確約できる受入企業・団体がいること」が条件とされたが、これもベトナム人が急増する一因になった。

というのも多くのベトナム人の場合、ベトナムの「送り出し業者」と提携した「受入団体」が関与する事実上の出稼ぎ労働者がほとんどなので、その条件をクリア、ベトナム人の入国が大きく増えることになった。

 

政府の政策では「GoToトラベル」にばかり世の中の関心が向いたが、その間に着々と外国人労働者を受け入れる門戸が開けられていたのである。

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