2021.02.28
# 企業・経営

「Clubhouse」はなぜ爆発的人気となったのか…その新しさの正体

やがてTV、ラジオを駆逐するか
野口 悠紀雄 プロフィール

リアルタイムで双方向

新型コロナ禍で外出が制限され、ビデオ会議など、対面コミュニケーションを代替する手段が急に利用されるようになった。そこで求められる機能は、「リアルタイムで双方向」だ。つまり、メッセージを相手に一方的に伝えるだけではなく、相手の返答が即座に得られることだ。

メールでは、一方的にメッセージを送るだけであり、相手がすぐに返答をくれるわけではない。そもそも、そのメールを見てくれるかどうかさえ明らかでない。これでは、対面コミニケーションを代替することはできない(チャット機能を使えばできなくはないが、面倒だ)。

Zoomなどを用いるビデオ会議が急に広がったのは、リアルタイムで双方向のコミュニケーションができるからだ。Clubhouseも、同じように、リアルタイムで双方向だ。

 

「リアルタイムで双方向」で、電話が電報打ち負かす

「電話」は、「リアルタイムで双方向」という2つの条件を満たした初めての手段だった。 

電話が発明されたのは19世紀後半のことだが、それに先立って電報があった。電報は、ビジネス用の通信手段として急速に発展し、20世紀の初めには海底ケーブルによって大陸間の通信が可能になるまでになっていた。

電話が登場した時、雑音が多くて明瞭な音声が伝わらないことが多く、信頼性が低いと評価された。また、記録が残らないことも、ビジネス用には問題だと考えられた。「電話はおもちゃにすぎない」というのが、多くの人の評価だったのである。

しかし、「電報」には致命的な欠陥があった。それは、相手の反応をリアルタイムで得られないことだ。正確であり記録が残る等の優れた性質を電報が持っていたにもかかわらず、実際には電話が発展して電報が使われなくなった基本的な理由は、ここにある。

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