SNSを中心に、体型に関するポジティブなメッセージを配信し続けている、プラスサイズモデルの吉野なおさん(モデル名:Nao)は、コロナ禍になってからInstagramライブを頻繁に開催し、フォロワーの人たちと交流を持つ機会が増えているという。

その中で、想像するよりも多くのひとたちが、太りすぎ、痩せすぎ、顔の造作など、見た目に関するアンコンシャスバイヤス(無意識の偏見)に傷つけられていることがかわってきたという。しかも、コンプレックスを払拭しようと、自信を身に着けようと思った場面で、傷つく言葉を浴びせられた経験がある人も多い。ファッション、美容業界に根付く、差別や偏見について考えてみたいと思う。

インスタのフォロワーさんが告白してくれた体験

アパレルショップや美容室、ネイルサロンなど、利用することで気分が前向きになるようなサービスは世の中にたくさんある。が、接客の際にモヤっとした経験がある方はいないだろうか?

今回のコラムでは、フォロワーのA子さんが『パーソナルスタイリスト』のサービスを利用し、モヤっとした経験をシェアしたいと思う。
※A子さんご本人の許可済みです。

A子さんは、昔からずっと自分の容姿に対してコンプレックスがあった。
他人に容姿を揶揄されたり指摘された経験があり、ふくよかな体型と自分の顔に嫌悪感を抱き、ひどい時は自分がまるで化け物のように思えて、鏡を見ることも辛かったという。大人になっても周りの女性たちが自然とメイク技術を習得したり楽しんでいく中、容姿コンプレックスがあったA子さんは正しいメイク方法もよくわからず、ファッションセンスを身に付ける余裕もなかった。

大手化粧品メーカーのメイクレッスンでメイクする楽しさを知ったA子さん。photo/iStock

しかし、そんな自分を脱したいと、人生を前向きにしてみようと思い立ち、コンプレックスを解きほぐす方法を自分なりに模索しはじめた。容姿に自信を持てなかったとしても、メイク方法やファッションセンスの技術は学ぶことが出来ると気づいたのだ。

A子さんはまず、ネットの口コミで評判のよかった某有名老舗化粧品メーカーのメイクアップレッスンに行き、プロにメイク方法を学ぶことにした。レッスンでは、容姿を過剰に褒められることも否定されることもなく、「眉毛をこう描くと、お顔のパーツとパーツのバランスがよく見えますよ」といったように論理的なメイクのプロセスを教わった。

A子さんはこのメイクレッスンを経て、以前よりも明らかに自信を持ってメイクが出来るようになり、少しずつ鏡の中の自分の顔をフラットな視点で覗き込めるようになった。

次にA子さんは、ファッションセンスを身につけたいと考えた。ファッションにはずっと疎く、何をどう組み合わせていいのか、どうすればおしゃれなのかが分からなかったのだ。そうしてネット検索するうち、パーソナルスタイリスト・B氏のブログに辿り着いた。B氏は、メディア出演経験などの実績もあるスタイリストで、買い物同行サービスというものを行っていた。

パーソナルスタイリストの買い物同行サービスとは、スタイリストがファッションアイテムの買い物同行に付き添ってくれ、その人に合ったアイテム探しのコツやスタイリングを提案してくれるサービスだ(ちなみに費用は数万円)。当時のブログには「自分らしく輝くお手伝いをします」というような、前向きなメッセージが掲げてあった。ファッションのことが全く分からないA子さんにとっては、多少費用が高くても、プロにテクニックを教えてもらえることは非常に魅力的に見えたという

早速申し込みを決意し、事前カウンセリングのメールには、「太っていて容姿にコンプレックスがあり、ファッションセンスにも自信がありません。まずファッションセンスを身につけたいと思って依頼しました」という切実な思いを綴り、普段着用している服のサイズも書き添えて申し込んだ。