だが天皇陛下のお言葉は、眞子内親王殿下の結婚に反対するものでもなく、かといって賛成するものでもなかった。陛下は次のように述べられたのだ。
天皇陛下にとって眞子内親王は、可愛い姪に相違ない。その姪が小室氏との結婚を熱望する以上、その思いを実現させ、幸せになってほしいと願われているはずだ。
とはいえ伯父である天皇陛下が、親である秋篠宮殿下の思いを飛び越えるわけにはいかない。眞子内親王殿下の結婚は第一義的に秋篠宮家の問題で、まずは秋篠宮殿下が責任を持つべきだ。天皇陛下が「秋篠宮が言ったように」と述べられたのは、まさにそういう意味がある。
一方で天皇陛下には皇統を維持し、皇室を存続させる責務がある。日本国憲法が規定するように天皇は日本の象徴であり、日本国民の統合の象徴である以上、その地位は国民の尊敬の上に成り立っている。もし国民に天皇や皇室に対する尊敬がなくなってしまえば、皇室は存亡の危機に陥りかねない。
そのような意味で幼い時から帝王学を叩き込まれた天皇陛下は、ご自分のお立場や何をすべきかということを十分にご存知だ。「皇室は国民の上の存在」などと勘違いして改まらない“にわかロイヤル”とは訳が違う。ノブレスオブリージュを十分に理解しておられるのだ。
そうした意味において皇族の結婚は、「多くの人が納得し、喜んでくれる」ものでなくてはならないが、果たして眞子内親王殿下と小室氏との結婚はそうなるのだろうか。