コロナ禍のシーズンだからこそ見えた「チームジャパン」の底力

カーリング日本選手権観戦記 女子編
竹田 聡一郎 プロフィール

常に新しい風を吹き込んできた中部電力

富士急にプレーオフ初戦で勝った中部電力は準決勝で北海道銀行に敗れた。ソチ五輪、平昌五輪のプレシーズンは日本選手権で優勝し、2大会連続で五輪代表決定戦に進出していたが、今回はそこにもたどり着けずチーム最年長の松村千秋は「(質の)違う悔しさがある」と肩を落とした。

 

それでも、中部電力が独自に取り組んできたことは日本のカーリングにとって多大な蓄積となっている。

日本のカーリングでは、ナショナルコーチのジェームス・リンドをはじめ、カナダ人コーチに師事することが多かったが、中部電力は、平昌五輪代表決定戦前に、長野五輪(1998年)でスイス代表として金メダリストを獲得したパトリック・ヒューリマンの妻ジャネット・ヒューリマンをコーチとして迎えた。

さらに、2018-19シーズンからは平昌五輪に出場した現役選手の両角友佑(TMKaruizawa)をコーチに任命し、両角は選手とコーチの二刀流に挑戦するなど話題になった。

平昌五輪が終わった18-19年シーズンに両角コーチが就任すると、19年の日本選手権では優勝を果たすなど“両角効果”はてきめんだった (著者撮影)

また今季は、新加入した即戦力ルーキー・鈴木みのりを含め、フロントエンドのポジションを固定せずに3人でローテーションを組んで戦うなど、常に新しいことを取り入れてさらなる強化方法を模索してきた。

中部電力の面々。左からサードの松村千秋、主にリードでプレーした鈴木みのり、国内屈指のフォースに成長した北澤育恵(C)JCA IDE

松村は来季以降について「チームともしっかり話して、前を向いてやっていきたい。次につながる試合、大会になったと思います」と総括したように、チームはさらなる強化を続ける。両角コーチの去就や、ローテーション継続の是非、強化の次の一手など、注目すべき点が多い。

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