村上春樹と現役AV女優、どちらに嫉妬する?

紗倉:そう思うと峰さんの本は、AVファンに限らず、女性も男性もたくさんの人が興味を持っているし、どの本屋さんに行っても目にするから、本当にすごいなと思うんです。

峰:私、自分の漫画が本屋さんで売られるようになってから、自分では足を運べなくなってしまったんですよね。「本屋で自分の名前を見るのが恐怖症」というか。もちろん置いてくれているのはありがたいけど、見ると「ギャ〜!」ってなっちゃう。なんなら、エロ本に自分のAVが載っているのを、たまたま目にするのと同じ感覚ですね。

紗倉:ええ〜〜私、真逆です。自分の本があると、その本屋さんが大好きになりますね。愛でたくなるくらい。峰さんは、自分以外の売れている漫画家さんや作家さんへ嫉妬の感情を抱くことはないですか?

峰:売れている人に嫉妬するというより、自分より絵がヘタで話が面白くない人がちょっと売れてるほうがムカつきますよね(笑)。 紗倉さんは嫉妬するタイプ?

紗倉:(即答で)めっちゃします。

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峰:それは村上春樹に嫉妬するのか、自分と同じような現役AV女優が小説を出すのにムカつくのか、どっちですか?

紗倉:森羅万象、すべてのものに嫉妬しますね。こんなにも世の中にたくさんの趣味や嗜好がある中で、多くの人の価値観が一致したり、同じものを褒め称えるって難しいじゃないですか。そんな中で本屋さんに行くと、村上春樹さんの本は、積み木のように高く並べられていて……こんなにもたくさんの人間の「好き」が一致する瞬間があることが信じられないんです。

そしてそれをまざまざと見せつけられると、その光景が忘れられないし、何年経っても胃が痛くなる。こちらは「どうせ万人受けなんて無理なんだから、ボチボチやるか」と思っているのに、村上春樹さんは、あらゆる人の好意をさらっていく……これって本当にすごいなと考えてしまうんです。