同性から憧れられると卑屈になる

峰:紗倉さんの小説の読者とAVのファンは重なっていますか?

紗倉:重なっていますね。やはり「入り口はAV」という読者は多いと思います。職業と関係ないところで興味持って読んでくれる人は、私の場合はまだ少ないのかも。これから作品を重ねていくことで、新たな読者にもアプローチしていきたい、と思っていますね。

峰:ファンに関して言えば、紗倉さんは女性のファンも多いし、最近ではAV女優さんの中にも紗倉さんに憧れて、AV業界に入ってくる子もいるとか。同性からの「憧れの存在」になることは、どんな風に思いますか?

紗倉:「本当かな?」って毎回、思いますね(笑)。「こんなにたくさんのAV女優がいる中で、あえて私に憧れる意味はなんだろう」とか「一過性な感情で、実際はそこまで好きじゃないんだろうな」とか歪んだことを考えちゃう。昔から同性に好かれる顔ではないと自覚しているし、「嫌いだった女友達に似てる」とか唐突にディスられたこともあるので、自分の中で卑屈になっている部分はあるのかも。

峰:私は「好き」って言われた時点で、「今は好きと言っていても、いつかは私のこと好きじゃなくなるんでしょう?」って思っちゃう。1回「好き」って言われたら、私のことを一生好きでいてもらえないと傷ついちゃうんですよ。我ながら「どんだけ繊細なんだろう、自分」と思うわけですが(笑)。

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紗倉:そうなんですよ!「好き」と言ってくれる人の中には、「峰さんにはこういう風にいてほしい」「こんな人であってほしい」というような願望も含めた憧れがあると思うんですよね。だから嬉しさを感じると同時に、ちょっとドキッとしてしまうのかも。誰かを好きになるって簡単だけど、その「好き」を継続させるのって実は難しい。本当は、もっと素直に「ありがとうございます」って言えたらいいんですけどね……。

峰:最近はSNSでファンの動きも可視化されますしね。自分のファンだと思っていた人がいつの間にか他の人のファンになってたり。

紗倉:「自分のファンだと思っていたけど、実はDD(※)だったんだな」とか。

※DDは“誰でも大好き”の略。特定のアイドルのみを応援するのではなく、複数のアイドルを掛け持ちで応援しているいわゆる“複数推し”の人のこと。