人気漫画『アラサーちゃん 無修正』(扶桑社)で知られる、漫画家の峰なゆかさん。彼女が2000年代にAV女優だった自身の経験をもとに、業界の裏側を描いた半自伝的漫画『AV女優ちゃん』(同上)が、「女性の生きづらさがわかりやすく描かれている」と同性から共感の声を集めている。

そんな峰さんがいま話をしてみたい相手として指名したのが、現役のAV女優で、近年は小説家としても注目されている紗倉まなさん。過去と現在に「AV女優」という肩書を背負いながら創作の世界で活躍する二人が、描くこと、書くことについて率直に語り合った。

紗倉まなさん(左)と峰なゆかさん

(構成:アケミン 写真:福本邦洋)

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自分を描くことはセックスより恥ずかしい

紗倉:『AV女優ちゃん』は、峰さんがAV女優として活躍されていた2000年代のAV業界の話からAV女優になる前の学生時代まで描かれていますよね。ご自身を主人公にしているため「半自伝的」とも言われていますが、そもそも自分のことを書くのは、とても勇気が要ることだと思うんです。「これ、書いていいのかな?」とか、サジ加減に悩むことはないですか?

峰:そもそもこの主人公の顔もこういうテイストで描くことに抵抗がありましたね。だって私、こんなに顔のパーツは下に寄ってないですし、ここまで目も大きくないし(笑)。自分をかわいい主人公として描くことへの迷いはありましたが、「ここはビジネスだから割り切らないと!」と思ってました。

『AV女優ちゃん』より

紗倉:恥ずかしいと思う感情を捨てた、ということですね。

峰:そもそもAV女優のときも、自分がセックスしているところを他人から見られるよりも、台本に書いてある単語が恥ずかしくて言えなかったんですよね。あと、イメージシーンで即興の創作ダンスを踊らなきゃいけないのもハードルが高かった。

紗倉:わかります! ひとりで腰をクネクネさせて踊らなきゃいけないイメージシーン、本当にハードルが高いですよね(笑)。私も苦手で、「あまり誰も見ていないだろうな」と愉快な感じでやってみたら、コアなユーザーさんが意外と飛ばさずに見ていて驚いたことがありました……。

峰:それと同じように、自分を主人公然としたキャラクターとして描くことも、「思い切ってやらないといけない」という意味では、女優時代の試練と通じるものがありますね。内容に関していえば、地元の話はどれも本当のことを書いたものの、あまりにもギャグ漫画の設定じみていて、自分でもビックリしたんですよ。