編集長がひとりですべての方針を決めているのだとおもわれる。
センスは努力では身につかない。
新人が、地道な努力を重ねても、編集長のような人間になれるわけではない。
あっさりいえば、上白石萌音は、努力しても菜々緒にはなれない(まあ、努力で背は伸びないからね)。
『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』のファッション雑誌で働いている人は、ファッション誌のトップを目指しているわけではない。
間宮祥太朗が演じる中堅どころの編集者は、この雑誌を足がかりに「カルチャー誌の編集長」になりたいと公言している。
主人公も、おそらくファッション誌の素敵な編集長を目指してはいるわけではないだろう。
この世界のトップの地平と、主人公のいる地平には大きな断層がある。
軍隊で、新人の兵士が将軍になれないのと同じである。
将軍になるには、将軍になるためのルートがあって、そこを辿らないとなれない。努力で何とかなるものではない。
地続きにはなってないからだ。
本人もわかっているし、見てる者もわかっている。
それでも主人公は一生懸命働いている。
ただ一生懸命なのを見て、彼女の居場所はそこなのだろうか、と見てるほうが勝手に心配してしまう。そういう作りになっているドラマだ。